保育士の転職が難しい本当の理由。転職を成功させるための戦略

厚生労働省が毎年調査している有効求人倍率で、保育士は全業種の平均を上回る2.34倍(平成28年1月調査)という結果になりました。

保育士を求める保育園は多く、保育士の確保に向けての採用も過熱化しています。募集が多いという事は転職しやすいと思うかも知れませんが、実は多いからこそ難しさが。

そこで、保育士の転職が難しい理由と、成功させるための戦略についてご紹介していきましょう。参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年11月分)について」

求人があり過ぎる

求人があり過ぎる

保育士の求人は全国で募集されていますが、一体どれくらいの求人があるのでしょうか。

「保育士WORKER」を見てみる求人数は29,446件で、 非公開求人数は6,693件。20,000件を超える求人があり、その中から選ぶのも一苦労です。求人が多いということは選択肢も増えるため、選ぶのも容易ではありません。

そんなに求人があるんですか?
保育士が保育園を選べる時代なのですが、何を基準に選んだらいいのか分からないという人も増えているんです。
20,000件位上ある求人の中から、自分に合った保育園を見つける事ができるのでしょうか。現実的には困難です。

履歴書や職務経歴書の書き方で印象が悪くなる

保育士の求人が多いからといって、応募書類がずさんな場合、書類選考で落とされてしまいます。それは、法人側も保育士の人柄を見ているので、誤字脱字はもちろん、経歴がきちんと書かれていないと、最低限の事ができない人だと認識し面接まで進めことができないのです。

ざっくりとした経歴に長所や短所は空白、本人希望欄に、給与は◯円以上を希望しますと書いてあったとしたら、話さなくてもこの人に仕事を任せられないと思うものですよね。

面接で経歴をアピールすれば大丈夫と思い込んでしまうのが大きな落とし穴なのです。

ハローワークは自力で探さなくてはいけない

求人を探す時に、ポピュラーなのがハローワークです。毎日多くの人が利用していますし、公共機関なので安心。

しかし、ハローワークは自分で働く場所を膨大なリストの中から探さがなくてはいけない上紹介状を発行してもらう際その保育園がブラックかどうかは分かりません。

募集が無料でできるという点で、求人の質や仕事内容まで確認できないのがデメリットと言えます。保育士が転職活動をする際には、ハローワークはおすすめできません。詳しくはこちらの記事で解説しています。

転職活動は絶対秘密!誰にも相談できない

転職活動は絶対秘密!誰にも相談できない今の保育園を辞めて転職する場合、「保育園を辞める予定なので、転職活動しています」とは言えません。話してしまうことで、引き止めに合ってしまいますし、周りの保育士からも子どもたちを置いて出ていく裏切り者と見られてしまうためです。

関係も悪くなりますし、せっかく良い保育園に内定が決まっても引き止められてしまったら、チャンスを生かすことができません。

どこか後ろめたい気持ちもあるので、転職活動をしていることや、退職したいと考えている事は秘密にするものです。

誰にも話さないという事は、活動を進めていく上で、判断に迷う部分があった時相談する相手がいないということ。相談する相手がいないという事も、応募先をどこにするのかの判断を迷わせる一つになるのです。

転職のマナーを知らないと恥をかく

保育士としての経験を武器に、転職活動を行うと、どうしても上から目線になってしまうため、相手に対して失礼な態度を取ってしまうことも少なくありません。

応募の電話でもビジネスマナーや敬語の使い方をチェックされますし、履歴書の書き方や面接での受け答えも、シビアな目で見ています。面接官も多くの保育士を採用するプロなのです。

いくら保育の経験年数があっても、ビジネスマナーがない保育士は採用されません。保護者と話すような感覚で、自分のペースで進めようとする行為が逆効果となって悪い印象を与えたとしても、マナーを知らないと恥をかくことにつながってしまいます。

一人で参戦すると足元を見られる

転職活動は、一人で行うものですが、準備をしておかないと、すぐに見破られてしまいます。

そして、経験年数があるからと言って、面接の場で給与の交渉をしようものなら、交渉慣れしていないことも明らかですし、「うちでは難しいですね」と却下されてしまいます。

保育士を一人でも多く採用したいものですが、態度が悪い保育士を採用するくらいなら、経験年数は浅いが協調性がある保育士を育てる選択をした方が懸命ですよね。

保育士の募集はたくさんありますが、応募している保育士も多いので、選ばれる側であるという意識を持たないと、採用にはつながらないのです。

判断を間違えるとブラック職場に遭遇する可能性大!

仮に転職の準備をせず、応募したらどのような事になるのでしょうか。すぐに採用されるかも知れませんし「ぜひうちで働いてください」とお願いされるかも。でも、実際に働いて見たら保育士の人間関係はドロドロサービス残業が蔓延し、先輩保育士からは嫌味を受ける日々。

ブラック保育園に遭遇してしまう可能性はかなり高くなってしまいます。一度入職してしまうと、退職する事はできますが、経歴に傷がついてしまうことに。

そしてもう一度転職活動をしなければ行けない事を想定すると、準備の大事さが分かるのではないでしょうか。

求人の中にもブラックな保育園は潜んでいます。選ぶ側も慎重に判断しなければいけません。

失敗しないための戦略

さまざまな理由から、鷹をくくっていると採用や内定に結びつかず難しい局面に遭遇します。そして、退職から転職という大きな決断をするのであれば、失敗しないための戦略を練って置くことが必要不可欠なのです。

では、どんな事を意識したらいいのでしょうか。

とにかく情報収集

保育園には施設形態の違いがあり、働く保育士が違う他、立地条件や利用する子どもたちも全て違うので、同じ施設はありません。

その中で、自分に合った保育園を見つけるためには、とにかく情報収集あるのみです。例えば、折り込みチラシやフリーペーパーに掲載されている求人情報から、保育園のホームページやSNSをチェックするのも大事な情報収集の一つ!

意外と知らない家の近くの保育園は、どこの法人が運営しているのか、保護者の反応はどうなのかを、気に留める事で調べて見ようという気持ちにもなるものです。

何も情報がない状態から調べていくのは大変なので、普段から他の保育園の様子を見るように意識してみましょう。

希望の条件を明確にする

保育士の働き方は多様化しているので、働く場所によって待遇も変わってきます。何を優先したいのかを、希望ははっきりしていますか?この条件はとても大事なので、転職先で求める事を明確にすることからはじめてみましょう。

あなたが優先したいのは、待遇ですか?それとも通勤距離?人間関係?保育士としてのキャリプラン?求人票をチェックしていくと、これは外せないとういポイントが分かってくるので、紙に書き出していくのも一つの方法です。

実際に考えてみると「これは無理では?」と思うものも出てきますが、とりあえず思いついたものは紙に書き出してから整理してみましょう。

履歴書と職務経歴書を作り上げる

転職には、履歴書と職務経歴書がとても重要です。なぜなら、あなたの今までの経歴を示すものになるためです。しかし、面接で経験をアピールしようと考え、これらの書類が疎かになってしまうと、面接の場に進むことができません。

書き方が分からないという人は、清書する前に、今までの経歴を振り返り一覧にしてみましょう。そして長所や短所、特技なども空欄にせず、全ての欄を埋めることが重要です。
作り上げるという言葉を意識して、時間をかけてじっくり自分の棚卸しをしてみましょう。

一度作ってしまえば、複数の保育園を応募する時に使えます。何日もかけて作っていくことを意識しましょう。

甘く見ちゃいけない面接対策

書類選考を通過したら、次は面接です。書類が通らなければ、あなたは保育士としての価値がないと判断されたことになるので、ショックですよね。

そうならないように、履歴書と職務経歴書を作り込む。そして次のステップに行くことができたら、面接対策に向けての準備を進めましょう。なんとなく、面接に臨んでしまうと、言ってはいけない事を話してしまう他、あなたの不利になってしまうことも。

つまらない事で損をしないためにも、志望動機や今までの経歴、そして退職理由を事前に練習しておきましょう。

対策と準備で怖いものなし

情報収集に希望の条件を明確化。そして履歴書と職務経歴書を作り上げ、面接対策までできたら後は怖いものはありません。

大事なのは、事前に準備しない状態で自分をさらけ出してしまうこと。ちょっとした気に緩みが、面接官に悪い印象を与えてしまうことにつながるためです。

しっかりと転職のための準備をして望めば、採用する側にもあなたの意欲が伝わるので安心してくださいね。

一人で行うのが難しいなら転職支援サービスに相談しよう

転職活動は孤独な作業ですし、決して楽なものではありません。むしろ、難しいと思って取り組んだ方が気持ちも引き締まるものです。でも、これらの作業を果たして一人で出来るのでしょうか。

不安を抱えながら保育園を探していても、いつかは行き詰まってしまうものです。転職活動を確実に進めて行きたいと思う人は、保育士の求人を扱う転職支援サービスを利用しましょう。

登録は無料!保育士と保育園を結びつける役割として、保育園の紹介やマッチングを行ってくれています。保育園の紹介の他、履歴書や職務経歴書の添削、そして面接対策も行ってくれます。保育士の転職サービスについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたか。転職は人生の中でも労力をかけなければいけない作業の一つなので、決して楽に進められるものではありません。でも、プロに相談する事で少しでも軽減でき、なおかつあなたの個性が生かせる保育園に巡り会えるとしたら。確実なものにする為にも参考にしてみてくださいね。

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