保育士の求人を探す中で、限られた人しか見ることができない非公開求人があるのをご存知ですか?「非公開求人って怪しいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、その存在を知っているのと知らないのとでは、給与や年収も大きく変わってくるものです。
あなたの保育園も、実は裏で保育士を探しているかも。そこで、非公開にする理由と応募するための方法についてご紹介したいと思います。
保育士の非公開求人とは


保育士を採用するときには、法人のホームページで募集をする他、ハローワークや民間の職業紹介に依頼して、保育士を紹介してもらいます。
しかし、保育園を新しく開設する動きもある中で、保育士獲得はもはや戦国時代!保育士を効率的に採用するためには、いろいろな手法が用いられていますが、一般に公開せず極秘で採用を進めるのが「非公開求人」なのです。
非公開、つまり、極秘の状態で募集をするにはさまざまな理由が存在します。それぞれの理由について細かく見ていきましょう。
非公開にする4つの理由
非公開求人として極秘に募集をするには、さまざまな理由がありますが、ここでは代表的な4つの理由についてご紹介していきたいと思います。
確定していない保育園の園長や主任候補
新設保育園には園長や主任の管理職が必要不可欠です。法人内の異動で対応出来る場合と、新規に採用しなければいけない場合もあり、極秘で進められることになります。
もし、園長募集という求人があったとしたら、スキルアップを図りたいと思っている応募者が殺到します。応募者が多いとその分面接にも時間を割かなくてはいけないため、ある程度保育士を内部で確保した状態で、非公開で求人をかけるのです。
保護者に不安を与えないため
現在運営している保育園で、保育士の募集が頻繁に出されると、預けている保護者は不信感を抱くことになります。それは、保育士がコロコロ変わる保育園で安定した保育ができるのかと思うためです。
「まだ募集している、保育士足りていないのかしら」という不安がママ友に広がると、不審に思った保護者が保育士に相談にきます。
求人の情報を公開せずに、非公開で保育士を集めるのは、混乱を回避するという点で有効な手法になります。
経験や年代など対象を絞って採用するため
保育園には経験年数や年代、男女比などバランスを考えた配置をしなければいけません。
20代の保育士が多い場合や、男性保育士の比率が多くても、バランスが悪いというクレームにつながります。
保育園では、保育士からの退職の申し出があった場合、経験年数や年代、性別など、希望する条件を伝えて採用活動を行いますが、それに見合った人はなかなか採用できません。
間口を広げて、保育士の募集を続けていると、面接にも労力がかかりますし非効率!
そのため、退職した保育士と同等の経験を望む場合などは、非公開にして人材紹介会社から希望に見合った人材を紹介してもらい、運営の継続を図っているのです。
応募が殺到してしまうことを避ける目的
非公開求人の多くは、待遇が良いため、公開することで応募が殺到してしまいます。
応募者が多ければ多いほど、面接も難航しますし、人選するための労力もかかります。
保育士の採用を効率的に進めるため、採用する人物像を絞り、ある程度人員が確保されてはじめて公開という方法を選択する保育園も増えているのです。

非公開求人の待遇例
非公開求人は、待遇が良いことから注目度も高く、限られた人しか見ることができません。では、どれくらいの待遇が提示されているのでしょうか。その一例を紹介すると、以下の3点が大きな特徴になります。
【非公開求人の待遇例】
月額24万円以上がどれだけ高いのかというと、厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、下記のような金額が保育士の平均でもらえる月収や年収の目安です。
平均年齢 | 勤続年数 | 平均月収 | 平均賞与 | 平均年収 | |
保育士平均 | 36.0歳 | 7.7年 | 223,300円 | 588,200円 | 3,267,800円 |
これによると、保育士として8年のキャリアを積んで223,300円という月収なので、240,000円は平均よりも高いことが分かります。
そして賞与はというと、240,000円✕4ヶ月=960,000円!
平均の賞与額588,200円よりも371,800円も高いのです。
これはあくあまでも一例なので、この金額が提示されるわけではありません。しかし、退職や転職するタイミングと、転職活動をスタートする時期によっては、十分高額案件を狙えるのは大きな魅力なのではないでしょうか。
非公開求人に応募するには
非公開求人の仕組みが分かってきた所で、ぜひ応募してみたいと思った人も多いのではないでしょうか。しかし、残念なことに個人ではこの非公開求人を見つけることはできません。
方法としては、保育士の求人を扱う転職・求人サイトに登録して、経歴と希望する条件を伝えた後、非公開求人を紹介してもらう形になります。登録から紹介までの流れは以下をご覧ください。
- 会員登録キャリアアドバイザーから電話 or メールで連絡希望する条件を伝える
- 求人紹介希望する条件を合った保育園の求人を紹介
- 面接を受ける保育園を複数選んで日程を調整してもらう。
- 見学の調整も可能
- 面接面接対策
- 希望者には、履歴書の添削や面接対策を実施
- 代理で給与の条件交渉も可能
- 内定を辞退したい場合は代理で伝達してもらえます。
- 合否内定内定後のフォローと入職手続きに向けてサポート
保育園の求人を紹介してもらっても、応募するかどうかは、あなたの判断になるので強制されることはないので安心してください。
非公開求人を紹介してもらうポイント
非公開求人といっても、園長や主任の管理職以外に、オープニングやシークレット案件、そして給与などの条件が良い高待遇の保育園などさまざまです。
非公開求人を紹介してもらうためには保育士側の事前準備がキーワードになってくるのです。
具体的なポイントは以下の5つ。一つずつ確認していきましょう。
希望する条件をまとめておく
あなたの希望を満たすものはすでに公開されている募集の中にある可能性もあります。
しかし、どのような求人が非公開になるかは、保育士側は分かりません。「これは条件として高すぎるのでは?」と思うものも、希望としてまとめておきましょう。
まとめたら、項目ごとに優先順位をつけておくと、応募先を選ぶ際の判断材料になります。
コーディネーターに相談し精査してもらう
希望する条件をまとめたら、電話連絡が合った際に、コーディネーターに伝えますが、給与や待遇面など、項目ごとにまとめておくと、聞く方も理解しやすいものです。
例えば、
など、思いついたものをまとめて伝えます。
その後、コーディネーターが求人の状況を見ながら、実演できそうなものと、難しいものを伝えてくれるので、その中から相談して決めていきます。
コーディネーターと適宜連絡を取る
応募する保育園が決まったら、面接に出向きます。複数の保育園に応募するのか、それとも一つに絞るのかも含めてコーディネーターと相談して応募書類を作成します。
非公開求人は待遇が良い分、ライバルも多いので、履歴書の添削や面接のアドバイスも受けて万全の体制で面接にのぞむようにしましょう。
事後報告も忘れずに
非公開の求人は紹介してもらった時点で終わりと思う人も多いのですが、紹介しているコーディネーターも保育園の状況を知りたいので、面接の結果報告も忘れずに連絡するようにしましょう。
思った保育園と違った場合は次の保育園を紹介してもらいますし、内定がもらえたら、次は入職の準備へと移っていきます。
まとめ
保育士の非公開求人には、待遇や条件面に魅力があるため、求人が殺到してしまうという側面と、さまざまな理由があって水面下で募集が行われています。
非公開求人は求人が出るタイミングがあるので、早めに登録して希望を伝えておくのがポイントです。