保育士の資格を取得して保育園には入れたのは良かったけれど、人間関係に疲れて転職したいと考える保育士は意外と多いものです。
でも、何度も転職をしていると印象も悪くなりますし、何歳まで転職が可能なのかは気になる部分ですよね。
そこで、転職回数と年齢について、採用する側はどう見ているのか、不利になる部分をプラスに変える方法についてご紹介したいと思います。
何回までの転職ならOK?
出典:エン人事のミカタ
エン人事のミカタの調査では、採用する側の意見としてさまざまなアンケートを調査しています。その中で興味深いのが、「何回までの転職なら気にされませんか」という質問です。

この質問では、2回~3回と答えたのが全体の78%ですが、4回目以上でも気にならないと答えたのが17%もいたのです。
この数字から見ると、転職回数は3回までが理想ですが、それ以上であっても不利な部分をプラスに変えれば十分可能であることが分かります。


選考で見られているポイントとは
出典:エン人事のミカタ
採用する側が気になる事とはどのようなものがあるのでしょうか。

という質問をした所上記のような結果になりました。結果を詳しく見てみると
【中途採用で選考要素となるもの】複数回答
- 在職期間と転職回数の組み合わせ:64%
- 年齢と転職回数の組み合わせ:62%
- 転職回数:56%
- ブランク期間:53%
- 前職の在職期間:46%
- 離職中であること:9%
- 在職中であること:8%
- 転職回数や在職期間は選考対象としない:7%
- その他:3%
一番は、「在籍期間と転職回数の組み合わせ」によるもので、転職の回数よりも上位にランク・インしています。これは、単純に回数ではなく、どれくらいの期間働いた結果、転職したか理由や妥当性を見ている事が伺えます。
そして次に重視しているのが、「年齢と転職回数の組み合わせ」です。20代で3回転職している保育士と40代で同じ3回の転職がある保育士とでは、当然40代の保育士は、勤務期間が長い事になるのです。
採用する側が保育士を見るポイント
ここで架空の保育士の経歴について採用する側になって考えてみましょう。
大きく違うのは年代です。
20代の若手保育士に、30代の中堅保育士、40代のベテラン保育士です。どの人も転職回数が同じ2回の場合、採用する側は何を基準にして選ぶと思いますか。
- 保育士同士のチームワークが取れるか
- 大切にしている保育観
- 保護者との関係で気をつけていること
- 子どもの問題行動に直面したらどうするか
- 合わない保育士がいたらどのようにコミュニケーションを取っていくか
など、実際の現場でどのように対応するのかで確認されます。年齢や転職の回数なども気になりますが、大事なのはあなたがどういう姿勢で保育をしたいのか、どのような保育を期待できるのかということをメッセージとして伝えること。
そのためには、履歴書や職務経歴書を見直し、たとえ転職回数が多くても相応な理由があれば、採用する側を納得させることができるのです。
キーワードは正当な退職理由
転職回数が複数回ある場合は、それぞれに退職の理由が存在するはずです。その理由を少し具体的に思い出して、印象が良い言葉に変えてみましょう。
例えば、介護離職や引っ越しや転勤を伴う場合は、家庭の都合により退職になりますし、
人間関係が嫌で退職した場合は、一身上の都合という言葉に書き換えることができます。
書類上で不採用にならないように、第一ステップとして経歴の整理と退職理由を整える作業を実践してみましょう。
家族や友人に相談してみるのもいいですし、保育士に特化した転職支援サービスで履歴書と職務経歴書の添削してもらうという方法もあります。
見栄えが良い書類を一度作ってしまえば、次は面接での受け答えの準備になるので、下書きを書いて作ってみましょう。
世代別アピール法
20代保育士は積極性と柔軟性
保育士養成の専門学校を卒業して資格を取得すれば21歳、大学を卒業すれば23歳で保育士として働くことになります。
でも実際に保育園で働いてみると、理想と現実とのギャップに悩み、退職の道を選ぶ人も少なくありません。
退職した後、転職できるかは不安ですよね。でも、大丈夫!
20代は遅番や早番のシフトに柔軟に対応できることや、仕事に対しての意欲も高く、臨機応変さも持ちあわせているので重要が高いのです。
若い=経験が少ないと考えるのではなく、柔軟性や吸収力の高さ!そして保育に対しての意欲をアピールすれば、あなたの良さを伝えられることができるのではないでしょうか。
30代は体力と臨機応変さ
30代になると、経験年数も10年を超えるようになり、子どもたちの状況に応じて臨機応変に対応できる力がついてきます。
気付いた事をすぐに行動に移すことができるのは、簡単なようで実は難しい事です。
それができるのは経験と体力があるからこそ。また、新人保育士の育成も担当できるとなると、保育と育成を任せられる事になるのでアピールできる材料になるのではないでしょうか。
40代以上は即戦力と実績
40代以上の保育士は、キャリアが豊富で即戦力として活躍できる世代にあたります。主任や、園長職として役職にも十分チャレンジできる資質を持ち合わせているのです。
また、毎年多くの保育園が開園していますが、若手の保育士を育成する保育士が足りません。新卒や若手と呼ばれる保育士を育てるのが、30代以上の保育士なのです。つまり、保育園が増えれば増えるほど、経験を持った保育士は必要不可欠。
年齢による安定感はもちろん、今まで担当していたクラスや、行事、得意なことやこれから実践していきたいことを積極的に書くことで、求められる人材につながります。
30代は、子育ての先輩、そして保育のプロとしての安定感。
40代は一般保育士のお手本として求められるのです。
どの年代でも求められるニーズがあるので、自分の年齢の強みを生かして履歴書や職務系液書でアピールすることがポイントになってきます。
まとめ
いかがでしたか。転職が複数回ある保育士の人にとって、自分の年齢が転職に有利かどうかは非常に気になる部分。
転職回数の多い少ないに限らず、誰にでもチャンスはあるので、子どもたちとどのように向き合っていきたいのかを再度確認して、年齢や経験に応じたアピールを考えてみましょう。