保育士としての経験をバネに、転職して園長を目指したいと思った時、どのような点に注意して職場選びをしたら良いのでしょうか。園長は保育園全体を管理する管理職なので、一般保育士と違ってチェックするポイントが変わってきます。
そこで、これから園長を目指す人のために、待遇以外で確認して欲しい大事なポイントについてご紹介したいと思います。
方針・理念は必ず確認
園長は責任のある仕事なので、その分給与や待遇アップも期待できますが、保育園の代表者となるため、保育園の方針や理念は必ず確認する必要があります。中には、抽象的過ぎる理念を掲げている保育園もあれば、細かすぎる方針がある保育園もあります。
あなたが保育園の理念について保護者に聞かれた時、的確に答えられ、なおかつ、あなた自信が賛同でき、実践したいと思えるような方針でなくてはいけません。
方針や理念は二の次と考える人が多いので、必ず文言を見て、どのような子どもを育てたいのか。どのようなサービスを提供していくのか必ず確認するようにしましょう。
オープニングは経験がないと負担が大きい
きれいな施設で人間関係もゼロからのスタートという理由から、オープニング求人は人気が高い傾向にあります。しかし、ここで見落としがちなのが、オープニングは全て自分たちでやらなければならず、園長として勤務する場合保育士に対して効率的に作業が進むよう明確な指示を出す必要があるのです。
やりたいことをやりたいように進めていたら、何が進んでいて、何を早急にやらなければいけないのかの交通整理をしなければいけません。
一般保育士にとっては、やりがいのある職場ですが、それを管理する園長は、立ち上げ経験がなければ効率的に進めることはできず、同時進行で開設作業をするのは至難の技です。
オープニングは経験がないと、他の保育士に不信感を与える原因になってしまうので、立ち上げ経験がない場合は避けたほうが良いでしょう。
はじめて園長になるなら運営施設が多い法人がおすすめ
いろいろな法人と施設を経験し園長という仕事に磨きをかける働き方もありますが、はじめて園長になる人は、運営施設が多い法人を選ぶようにしましょう。
理由はというと、
というメリットがあるためです。そして、転職しなくても、他の保育園に異動することで、園長のキャリアを積むことができるのです。
施設見学の機会もありますし、同じ仲間としてどんな運営をしているのかを見られるのは、まさに生きた教科書といえるのでは。施設数が多いとそれだけ学ぶことが多いので、吸収できるチャンスですよ。
相談できる園長がいる職場は精神的な心の支えになってくれます。
園長に対しての研修制度があるかどうか
園長会があるということは、法人としての質の向上や発展を考えていることが伺えます。
そして園長会の他に、管理職に対して研修制度があるかどうかも確認しましょう。
園長は保育園を管理する責任者ですが、園長自身も学ばないと保育の質は同じままです。一般保育士と違い、運営費の管理や組織のマネジメントなども行う職務であることから、専門的知識を得られるような研修制度があるかどうかは非常に重要です。
もし、園長に対しての研修制度がなければ、休みの日に自費で研修を受けるということ。
午睡のチェックや入退室管理もIT化される時代です。社会情勢に合わせた教育を受けられる制度があるかどうか確認しましょう。
保育園任せではなく法人内の部署との連携
保育園を運営するのは、園長ではなく行政や学校法人をはじめとする法人です。でも、法人と保育園は物理的な距離があるので、園長任せになってしまう保育園も少なくありません。
任せてもらえて嬉しいと思う園長もいますが、放任は園長の独裁になってしまう傾向があるため、ワンマンな園長が生まれやすいのです。それを未然に防ぎ、働きやすい環境を作るかどうかは、本部内の部署との関係が重要!
定期的に保育園にきて子どもたちや保育士の様子を確認する。そして保育園に来て様子を見てもらうということは、あなたが園長として働いている姿を評価してもらえるシーンにもなるのです。
気づいたら保育士と園長との間に溝ができてしまった。ということにならないためにも、保育園任せにせず、関わっていく姿勢があるかどうかもチェックしましょう。
一人で全てやろうと思うと失敗する
はじめて園長になると、あれもこれも全部やらなければという責任感が芽生えます。しかし、それを全て一人でやろうとすると、いつか容量がオーバーしてしまいますし、ストレスも貯まるものです。
任せるものは任せ、園長にしかできない業務を精査するのも大事な仕事の一つ。でも、相談する人がいないと、自分がやっていることが合っているのかどうか不安になるものですよね。
そんな時、園長会で知り合った園長に相談できたら安心しますし、本部の担当者にも力になってもらえるとありがたいですよね。
保育園を担当する担当者がいて、園長をバックアップする体制があるかどうかは、長く続けていく上で大事なポイントになります。決して一人で全てやろうとせず、園長をフォローする体制があるかどうかも確認しましょう。
施設形態によって向き不向きがある
保育施設は多様化しており、保育園の園長といっても、施設によって向き、不向きがあります。一例を挙げると、
などなど。地域、定員、施設形態など、同じ施設はありません。
保育士の性格がみんな違うように、今まで経験してきた施設や、働いてきた環境などを踏まえると、どうしても向き・不向きが存在するのです。
でも、自分では判断できないものですよね。それをマッチングしてくれるのが、保育士の求人に特化した転職支援サービスなのです。
転職支援サービスで客観的なアドバイスを
保育園の配置は、やみくもに配置しているのではありません。
これらを総合的に判断して、適材適所を配置しているのです。ミスマッチが起きると辞めてしまいますし、運営が成り立ちません。
転職支援サービスは、保育士の求人を扱うプロが、求職者となる保育士のニーズと保育園側の要望を聞き取り橋渡し役になってくれるのです。
認可保育園で働きたいという希望があっても、ヒアリングをした結果、「企業内保育所の方が条件に近く、個性が生かせるのでは?」とすすめられることも。
もちろん提案なので、最終的に判断するのは保育士ですが、客観的にアドバイスしてくれる存在は大きいのではないでしょうか。
転職支援サービスに対してハードルが高いと思う人もいるかもしれませんが、決定権は保育士にありますので安心して利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
園長の求人は目先の給与だけで探さず、長く働き続けるためには、園長に対する研修制度やバックアップ体制の有無についても確認する必要があります。
でも、求人票で読み解くのは難しいのでプロの力を借りて、あなたに合った職場を紹介してもらいましょう。園長として輝きながら働ける場所に巡りあえることを陰ながら応援しています。