保育士の転職失敗あるある。ボーナス4ヶ月に潜むトリックと対策

賞与4ヶ月

保育士は今や売り手市場なので、保育士が求人を選べる時代です。どの保育園でも保育士を獲得すべく、待遇の改善や研修制度の充実など、さまざまなアピールポイントを作り、一緒に働いてくれる仲間を求めています。

求人票を見る上で、気になるのがボーナスの額。その中でも「賞与4ヶ月」と書かれていたら、一気にテンションも高くなるものですよね。

でも待って!この「賞与4ヶ月」という言葉だけで選ぶのは危険!そこで、転職に失敗する人が陥るボーナス4ヶ月のからくりについて見ていきましょう。

そもそも賞与とは

賞与、いわゆるボーナスとは法人によって規定がばらばら。特別手当とも言われ、7月と12月の年2回支給する所もあれば、年度末に1回のみという所もあるのです。

公務員の場合は、賞与支給細則というものが定められているので、業績に関係なく一定の額が支給されます。

これに対して民間や私立の保育園では、業績に応じて毎回支給する金額が変わるので、求人票で「賞与4ヶ月」と記載されていても、次の年に業績が悪ければ、支給されないという事も十分ありうるのです。

賞与は月給と違い確約されたものではありません。毎年同じ金額が支給されるわけではない。年度によっては前年度よりも下回る可能性もあるという事を頭にいれておきましょう。

賞与4ヶ月に隠されているもの

賞与4ヶ月分という言葉は非常に魅力的ですが、注意しなければいけない点があります。どのようなものがあるのでしょうか。

基本給が低いと支給額に影響する

賞与は保育士の年齢や経験年数に応じて基本給が定められ、その基本給に対して何ヶ月分支給できるのか確定し、手続きを経て振り込まれます。

基本給が200,000円の保育士もいれば、250,000円の保育士もいますが、仮に50人の保育士に対して1ヶ月分の賞与を支給する場合どれくらいの経費がかかるのでしょうか。基本給が低い保育士で計算すると

 

基本給200,000円✕1ヶ月分✕50人=10,000,000円。保育士の数が100人なら、200,000円✕1ヶ月✕100人=20,000,000円という大きな数字を動かすことになります。

しかし、基本給が100,000円で各種手当てが別に100,000円加算され、合計200,000円だった場合、全く違う金額になります。その詳細はこちら

基本給100,000円✕1ヶ月✕50人=5,000,000円。保育士の数が100人なら100,000円✕1ヶ月✕100人=10,000,000円

半分になるのです。つまり、基本給に手当をプラスして月々の手取りを高く見せ、賞与では基本給をベースに計算するので、人件費を抑えることができる。

分かりにくい表現であえてぼやかしている部分などもあり、数字のマジックで騙されてしまうのです。しかし、これらは求人票で見抜くのは非常に難しくなっています。

毎月支給される給与ではなく、給与明細を見て基本給の欄を改めて確認してみましょう。

業績が悪ければ支給される月数も減らされる

求人票では「賞与4ヶ月」と記載されていたとしても、法人が定める就業規則や賃金規定には、業績によって支給すると定めている所もあります。

例えば、退職者が多く採用経費がかかった場合などは、賞与にも影響してしまうのです。

えっ!!求人票に「賞与4か月支給」って書いてあったから応募したんですが、毎年4か月分もらえるんじゃないんですね。
賞与4か月は夏に1ヶ月、冬に3か月かもしれませんし、2か月ずつかもしれません。4か月分がずっと保障されるとは限らないのです。

初年度は条件付き

最後は、最も見落としがちな、支給の条件についてです。「賞与4ヶ月」と書かれていると、年間で4ヶ月もらえると思ってしまいますが、初年度は条件付きという可能性があるのです。

それは、法人の規定によっても違いますが、査定期間内に在職している保育士が対象になるため、7月に支給の場合、6月に途中入社した場合は、ボーナスの対象になりません。

また、新卒で4月に勤務をスタートさせた場合でも、査定期間内に在職していない事になるため、夏のボーナスの支給対象外になってしまうのです。

つまり、入社のタイミングによっては、4ヶ月どころか賞与がもらえないケースも十分考えられます。そのため、これらのトリックや見せ方を把握した上でボーナスがもらえるタイミングを狙って転職活動をする必要があるのです。

年度途中に入職する場合は、賞与の支給対象になるかどうかも確認が必要です。

賞与の月数で判断するのは危険

「賞与4ヶ月支給」とボーナスを売りにしている保育園は、他の保育園と差別化するポイントがないため、このような文言を使って保育士を獲得しているケースもあります。

もちろん全てではありませんが、入職してみてボーナスの時期になると、「業績が思わしくないため」とアナウンスされることも。

保育園で働く場合、給与や待遇は大事ですが、人間関係や自宅からの距離。そしてあなたのやりたい保育と環境が一致していることが非常に重要なポイント!

「賞与4ヶ月」はとても魅力的ですが、お金の裏には仕掛けがあることも頭に入れておく必要があります。

想定と違ったら引き返せない

「賞与4ヶ月」の裏に隠されているトリックは、転職経験者でないと分かりません。そのため、ボーナスを期待して応募しても、実際に働いてみたら、初年度は1回しか支給されなかったということもあるのです。

最初に感じる不信感と、勤務を続ける事で体感する現場でのさまざまな問題。頼みの綱だったボーナスが貰えないとなると、退職したくなってしまいもの。しかし、退職は経歴に傷がつきますし、辞めるに辞められないという状況に陥ってしまうのです。

そんなトリックが隠されていたなんて・・・
大丈夫!安心してください。そのトリックを見分ける方法があるのです。

求人表には保育士に分かりづらい表現が潜んでいる

求人表には保育士に分かりづらい表現が潜んでいるこのように、ひとことに「賞与4ヶ月分」と記載されていても、保育士には分かりづらい表現がたくさん含まれています。

ボーナスの仕組みを理解した上で、希望する条件と照らし合わせて応募先を慎重に選んでいかなくてはいけません。

単純に「賞与4ヶ月分」と「賞与3ヶ月分」を比較すると、どうしても4ヶ月分の方が多くもらえるのでは?と思ってしまいますが、基本給を元に計算するため、この表現だけでは、実際にもらえる金額は分からないのです。

下記の2つの例を考えてみましょう。

  • 保育士Aさんは基本給が220,000円賞与が3ヶ月
  • 保育士Bさんは基本給が180,000円賞与が4ヶ月
どちらの方が多くボーナスをもらえるでしょうか。

年収比較

  • 保育士Aさん:賞与が660,000円 年収3,300,000円
  • 保育士Bさん:賞与が720,000円 年収2,880,000円

正解は基本給が低いBさん。しかし、年収で比較するとAさんの方が多い事になります。手取りを取るのか、ボーナスの額かそれとも年収か、究極の選択をしなければいけないのです。

プロに相談して確実に希望する額をゲットしよう

基本給と手当の有無、そして支給に関する条件や昇給、その他待遇などを照らし合わせながら、総合的に判断しなければいけません。

これらは、文言を読み取りながら比較する事で違いが分かりますが、転職活動をするなら、プロに相談しながら進めた方が懸命です。

希望する条件を予め考え、それを担当のコーディネーターに伝え、それに近い保育園を複数提案してもらい、その中から応募するかどうかを決めます。

膨大な求人から選ぶのではなく、希望にマッチした保育園を厳選してくれるので、選択肢が一気に少なくなります。

登録は無料ですし、料金は一切かかりません。これは、保育士を紹介すると、紹介料が保育園側から支払われるので、それぞれにWIN-WINの関係が成り立っているのです。

働きながら転職活動を考えているなら、時間を有効に使い、次は絶対失敗しないためにも、賢く転職支援サービスを活用しましょう。

まとめ

月々の手取りが他の業種と比べて低い傾向にある保育士にとって、ボーナスは生活を維持するための生命線の一つと言っても過言ではありません。入ってみて求人票に書いてあるのと違ったという事にならないように、プロに相談して転職活動を進めてみてください。

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