皆さんは有効求人倍率という言葉を聞いたことはありますか。知っているようで知らない人も多いのではないでしょうか。
この有効求人倍率は、経済の動きや労働者の雇用に大きく関わる指標の一つになります。
そこで、保育士は社会にどれくらい求められているのか、保育士の需要について探ってみたいと思います。
有効求人倍率とは
有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるのかを数字として表したものです。
- 求人倍率が高い=保育士を採用したい保育園が多い
- 求人倍率が低い=保育士を採用したいと考える保育園が少ない
保育業界に当てはめると、保育士1人に対して、どれくらいの保育園が保育士を求めているのかを見ることができるものさしになるため、転職のタイミングを図る判断材料になるのです。
2017年5月30日に厚生労働省が発表した数字によると、有効求人倍率は148倍でした。


これは、1990年のバブル期(1990年7月)当時の1.46倍を上回るもので、43年2ヶ月ぶりに高い数字を記録したことで注目を集めています。
43年2ヶ月ぶりという期間を聞いただけでも、すごい記録だということが分かるのではないでしょうか。この有効求人倍率は過去にどのような経過を辿り、今後どのような見通しが予想されるのか。細かく分析してみました。
過去の求人倍率と今後の予想
2016年1月に厚生労働省が発表した「保育士確保集中取組キャンペーン」を元に過去の保育士の求人倍率について調べてみました。
全国における保育士の有効求人倍率は、上記の1.46倍を大きく上回る2.34倍という結果!
全国平均を上回る数字というのも驚きです。
そして2016年11月時点で全国の都道府県における有効求人倍率を見ていくと下記のようになりました。
参考:厚生労働省「保育士確保集中取組キャンペーン」
有効求人倍率が2倍を超えている都道府県は21箇所にも及びます。
求人倍率の高い都道府県トップ5
この中で特に注目すべきは東京の5.68倍!保育士1人に対して、約6つの保育園が保育士を求めていることになります。
求人倍率の高い都道府県トップ5はというと…以下のような結果に!都市部かと思いきや、広島や福井など、地方都市でも保育士を求める動きがあるようです。
有効求人倍率
【求人倍率の高い都道府県トップ5】
- 東京:5.68倍(保育士1人につき、5.68の保育園が保育士を求めています)
- 広島:3.8倍(保育士1人につき、3.8の保育園が保育士を求めています
- 埼玉:3.73倍(保育士1人につき、3.73の保育園が保育士を求めています)
- 栃木:3.02倍(保育士1人につき、3.02の保育園が保育士を求めています)
- 福井:2.91倍(保育士1人につき、2.91の保育園が保育士を求めています)
トップ5に含まれていた人も、そうでない人も、住んでいる都道府県が保育士をこんなに求めていることを知ると、転職に対しての意識も変わってくるのではないでしょうか。
有効求人倍率が高いということは、転職のチャンスでもあり、自分らしい働き方を見つけるタイミングでもあるのです。
Uターンで地元の保育園を探してもいいですし、Iターンで都内の保育園では働くことも夢ではありません。
2017年10月日経済新聞の調査では
出典:日本経済新聞
上記の調査から約1年後にあたる、2017年10月の調査では、更に保育士の募集に拍車がかかり、東京都の5.68倍が5.99倍へと上がったのです。
待機児童対策の一つとして、保育所の整備が行われていますが、そこで働く保育士を確保しなければ、保育所を開設できません。保育士は社会に求められる職業の一つになっていることが改めて数字として理解できますよね。
求人倍率6倍が意味するもの
求人倍率ですが、いまいちピンと来ない人のために、分かりやすく説明していきましょう。求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを数値化したものです。これを保育士に当てはめると、保育士1人に対して、どれくらいの保育園が保育士を求めているのかということが分かります。
求人倍率が1.0を超える、しかも東京都を例に取ると5.99倍と6倍に近いということは、保育士側が保育園を選べるということなのです。
多くの保育園から選べるということは、素晴らしことですが、選べるからこそ慎重にならなければいけません。
条件や待遇を引き上げる法人も増えている
保育士の有効求人倍率は、全国平均でみても2.34倍!有効求人倍率の高さから見ても、どの保育園も保育士の確保を最優先課題にしています。これから応募してくる保育士のために、待遇改善をする動きも活発化しています。
基本給の引き上げやボーナス支給額の拡大
子育てしながら働き続けられる環境の整備の他、福利厚生に休日休暇の整備など。その他にも保育士がキャリアアップできるように、海外研修制度を取り入れる法人も増えてきました。
待遇が良くなる一方でどの保育園を選んだら良いのか分からないという贅沢な悩みも生まれてきています。
月給や賞与が高いと惹かれますが、実際に応募してみると人間関係が複雑で、再度転職の道を選ぶ人も少なくありません。
でも、いくら有効求人倍率が高いからといって、転職を繰り返していると経歴に傷がついてしまいます。では、どうやって転職先を探し、その保育園が自分に合っているのかを見極めるかというと、保育士専門の転職支援サービスを使うのが賢い転職の方法になります。
転職するなら転職支援サービスを活用しよう
有効求人倍率が高いということは、労働力が求められている証拠。そして待機児童問題もまだまだ解消されていないことからも、保育士の需要は高いことが伺えます。
この有効求人倍率は、毎月集計されるので、この高い水準がキープされる保障はありません。
だからこそ、保育士が求められている時期を見極めて転職活動を行えば、それだけ求人数も多いですし、条件や待遇が良い保育園に巡り会えるチャンスが広がるのです。
保育園を辞めたいと思っている人はなるべく早く、そして、今は転職を考えていないという人も、転職支援サービスに登録して、今のうちから情報収集をして、あなたに最適な場所とタイミングを見極めてみてはいかがでしょうか。
転職支援サービスはエリアと特徴で選ぶ
保育士が社会に求められる仕事であることから、保育士の転職をサポートする会社も増えてきています。でも、どこを選んだらいいのか迷うものですよね。
ここで大事なのが、対応するエリアと、転職に求める条件を満たしてくれるかどうかを最初にチェックするということ。
関西に住んでいるのに、関東の求人しか扱っていなければ、登録する意味はありません。
常勤保育士として働きたいのに、派遣保育士の会社に登録しても、希望するものとかけ離れてしまいます。
こちらの記事では、保育士転職・求人サイトの選び方を紹介しているので、チェックして見てくださいね。
まとめ
いかがでしたか。有効求人倍率の高さは、保育士が社会に求められる証になります。このチャンスを生かしてあなたらしく働ける職場を見つけるきっかけにしてみてくださいね。求人倍率は日々変動するものなので、転職支援サービスを活用して良い職場を見つけましょう。