体力的にハードな一面を持つ保育士の仕事ですが、姙娠が分かると嬉しい半面、仕事を続けていく上で、いつ、誰に伝えたらいいのか迷うものですよね。
そこで、保育士として働きながら、姙娠報告をする時期や出産後の働き方についてご紹介したいと思います。
妊娠初期は園長に報告を
姙娠が分かるのは生理が遅れていることが分かってから検査薬で確認し、その後病院に行くというのがおおまかな流れの一つ。
早い人で姙娠5週目、つまり、生理が遅れて1週間後に姙娠の可能性を考える人もいます。姙娠しているかどうかの最終的な判断は、必ず産婦人科を受診して、医師に確認するようにしましょう。
姙娠期間の数え方は3ヶ月を一つの単位として考えるので、以下のようになります。
呼び方 | 妊娠週 | 姙娠月 |
姙娠初期 | 4週から15週 | 姙娠2ヶ月から4ヶ月 |
姙娠中期 | 16週から27週 | 姙娠5ヶ月から7ヶ月 |
姙娠後期 | 28週から39週 | 姙娠8ヶ月から10ヶ月 |
姙娠が分かったら、体調がどんどん変わってくるので分かった時点で早めに園長先生に報告をしておくと良いでしょう。
子育て経験がある園長先生なら、姙娠中の過ごし方や子どもたちとの関わり方についてのアドバイスをしてくれるので心強い見方になってくれるかも。
周りの保育士に早く伝え過ぎてしまうと、逆に気を使わせてしまうので、園長先生と相談しながら、体調が落ち着くまで話さないという選択をする保育士もいます。
園長の判断で、主任にも報告をと指示されるかもしれませんが、あなたの意向も伝えながらおおよその時期と、伝える方法については一つずつ考えていきましょう。

妊娠初期の保育は危険がいっぱい
園長先生や主任に報告すると、少し安心しますが、自分の体は自分で守っていかなくてはいけません。特に姙娠初期は、姙娠していることを職員に報告していないため、知っている人も少ない上に、お散歩や保育室にも危険がたくさん潜んでいるのです。
いつものように、あなたのところに「●●先生~」と寄ってきたかと思えば、お腹にタックルされて「今の衝撃大丈夫かな?」と心配してしまうこともしばしばあります。
報告するタイミングまでは、あなた自身で体調を整え、起こりうる危険性を自分で回避していかなければならないので、慎重に行動するようにしましょう。
しかし、神経質になり過ぎると、あれもこれも大丈夫かなと不安になってしまうので、いつも通りに過ごせば大丈夫です。
体調と相談しながら職員へ報告する時期を決める
子どもを授かったことは喜ばしいことですが、嬉しい気持ちを出しすぎてしまうと、影で努力している人たちを苦しませてしまうことにもなるため配慮が必要です。
最近では安定期になってから、報告するケースも増えてきました。報告する時期については保育園の雰囲気がそれぞれ違うので、園長先生と相談して保育士に報告する時期を決めてみてください。
伝え方は、園長から職員会議で報告してもらう場合と、同じく職員会議で本人から職員へ報告事項として伝えるケースがあります。
どの方法を選ぶ場合でも、周りへの配慮や、感謝の気持ちを忘れずに伝えるようにすると、もしもの時に助けてもらえる関係を築くことができます。
保育園は女性が多い職場なので、結婚している人、独身の人、子育てしている人、結婚しているけれど子どもがいない人など、さまざまな家庭事情を持っています。
授かりたくても授からなかったという人がいるかも知れないという気持ちを持って、「ご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いいたします。」という誠意を伝えることも大事な配慮の一つです。
子育て中の保育士とは、今まで話せなかった子育ての話ができますし保育士同士の距離も近くなりますよ。
安定期に入ったら保護者や子どもたちに報告
絶対にやってはいけないのが、保育士よりも先に保護者に伝えてしまうことです。同じ職場の人に最初に伝えるのがマナーですし、体調不良の時に助けてもらうのは保育士なので、伝える順番を間違えてはいけません。
嬉しくて保護者に伝えてしまい、保護者がママ友に話し、ママ友がママ友に。どんどん噂が広がってしまい、噂から事実を聞いた保育士は良い気持ちはしません。
一緒に働く仲間に対しての配慮のなさは、あなたの人間性を疑うことにもつながってしまうのです。保護者に対しては保護者会で伝えるか、もしくは、おたよりで伝えるのか、伝える方法はたくさんあるので、後で知ったということがないように園長の指示に従いましょう。
妊娠を機に働き方を考えてみる
無事に職員や子どもたち、保護者に伝えられた頃には、出産に向けての準備をはじめる時期に入ります。
新しく家族を迎えるために、洋服や寝具類、そして産休後に育児休暇を取得するならいつまで取得するのかを出産予定日を元に自分で申請しなければいけません。
産休に入り、無事に出産、それから待ちに待った親子での生活が始まりますが、職場復帰を目指すなら保活、すなわち保育園への入園も視野に入れて準備していく必要があります。
保育園の申請が始まる時期と決定する時期を事前に確認し、保育園を見学して申請。それでも待機児童が多いため、希望の保育園に入園できなかったというケースも少なくありません。
入園できなければ職場復帰もできないので、法人によっては育児休暇の延長を申請し、もう一度保活を行うという保育士もいます。
保育園に入れ無事に職場復帰できた場合は、仕事と家庭そして育児との両立がはじまります。もし入れなかった場合、保育園の空きを待つ間は、自宅で育児をするため収入も減ることに。
一度退職して子育てが一段落してから再度保育士としてスタートするか、非常勤保育士として働き方を変えて、保育園の空きを待ちながら無認可保育園を利用するか。切実な問題なので、出産後や保育園への入園についても家族で話し合ってみてくださいね。
出産後の選択肢
働き方を変えるというのは、常勤か非常勤以外にもたくさんの選択肢があります。いろいろな選択肢があるからこそ、出産や育児などの大事な転機には、立ち止まって考える良い機会になるのです。
では、どんな働き方があるのでしょうか。細かく見ていきたいと思います。
雇用形態
- 常勤保育士
- 派遣保育士
- 非常勤(パート)保育士
- 時間外保育士
- 一度離職をして、子育てが落ち着いてから常勤として再就職
環境
- 私立保育園
- 認証保育所
- 事業所内保育所(基本土日休み)
- 病院内保育所(小規模で家庭的)
- 自宅を改装して保育ママ
- ベビーシッター
- ファミリーサポートセンター
- 保育の資格を生かして保育園以外で子どもたちと関わる仕事(学童クラブ・児童館・放課後子どもひろば)
まずは5つの選択肢の中から、働き方のイメージを膨らませます。大きく分けて常勤か、非常勤、そして常勤の働き方に近い派遣保育士があります。
あなたの理想とする働き方と、家族の状況、そして生まれてくる子どもが保育園に入れるかどうかも踏まえて家族で話し合ってみましょう。
雇用形態が決まったら、次は働く環境選びです。私立や認証保育所の数は多いですが、大規模な保育園もあるので、急な休みが取りづらいというデメリットもあります。
それに対して、事業所内保育所は、会社員として雇用されるので土日が休みで、社員のお子さんが対象なので、比較的受け入れる人数も少なめ。
思い切って自宅を改装して保育ママという方法や、ファミリーサポート会員として、必要な時にお手伝いをするという方法もあるのです。
いろいろな選択肢を見ると、出産後の働き方は一つではないことが分かります。大事なのは、あなたとあなたの家族にあった働き方を見つけるということ。
働く先輩ママたちはどのように出産と仕事復帰をしてきたいのか、リアルな声もご紹介していきましょう。
働く保育士のリアルな声
まだ育休中ですが、産後1年半で復帰予定です。正社員ですが復帰する時は時短勤務にする予定です。給与は減りますが、子育ての方が大事なのでそこは割り切っています。
出典:combitown
長男の時は満1歳のお誕生日に時短勤務で同じ職場・同じ職位に戻りました。私の会社の場合、一番下の子が満3歳になる前日まで時短勤務ができるのですが、長男が2歳を過ぎた頃に次男を妊娠し、フルタイムに戻る前に次の産休・育休に入りました。
次男は満1歳のお誕生日に保育園へ入ることが出来ず、私と入れ替わりで主人が育休を取得したため、私が時短勤務をする要件を満たせず、フルタイムで復帰。また、社内での産休・育休メンバーが重なった時期でもあったため、部署異動しました。(職位はそのまま)
その後、次男も無事保育園へ入園できたので、時短勤務に切り替えることも出来るのですが、時短勤務には時短勤務の弱点(朝礼に出れない、会議を途中退席しなければならない等)があり、結局そのキャッチアップに時間をとられる部分があると感じているためフルタイム勤務を続けています。
今の会社には妊娠・出産を理由に契約社員やパート社員になる制度はなく、育休からそのまま復帰されている先輩がいたので特に働き方を変えるつもりはなかったです。
参考になれば。
出典:combitown
時短勤務や、出産回数によって皆さんいろいろな工夫をしながら仕事復帰しているようです。
出産後のキャリアデザイン
今働いている場所で産休と育休を取得して、仕事復帰をするというのが一番ポピュラーな方法かもしれません。
しかし、保育士の資格を生かして働くことができる場所は多様化しているので、選択肢は一つではないのです。
我が子の成長を一番近くで見ながら、ベストなタイミングで仕事と子育ての両立ができる保育施設を見つけてもいいですし、時間を優先した働き方や、経験がない施設を選ぶという方法もあります。
妊娠を報告するタイミングを考えながら、出産後の人生設計を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
母となる日までもう少し。その前にはクリアにしなければいけないことがたくさんあるので、焦らず家族や園長と相談しながら少しずつ確認していきましょう。