これから保育園で新たなスタートを切ろうとしている新人保育士の皆さん。社会人として働くための準備は大丈夫ですか?
保育士は子どもたちの成長を間近で見ることができるやりがいのある仕事ですが、悩みはつきものです。
そこで、悩みを作らないために意識して欲しいポイントについてご紹介したいと思います。
社会人としての自覚
社会人として働くということは、仕事をして対価(給料)を得ることになります。今まで親元で生活していた人も、自分のことは自分で責任を持たなければいけません。
就活の時によく言われる「社会人としての自覚を持つ」ことが実践される時なのです。でも、社会人の自覚ってどうやって持ったらいいのでしょうか。
そもそも社会人とはどのようなことを指すのでしょうか。Hatena keywordによると、このように定義されていました。
学生・生徒などに対し、社会に出て働いている人の事。労働を通じて社会に参加している人。
企業から見ると使用人のことであるが、使用人と言うのは語感が悪いので、しばしば社会人と言う言葉が用いられる。
さまざまな社会人の定義はそれぞれの社会観を反映する。
ちなみに、社会人を対象とする筑波大学法科大学院設置計画書では、社会人を、健康保険・厚生年金保険等の被保険者となるような被用者であるか、一定の資格に基づいて事務所を経営し、または、自営業を営んでいる者、その他これらに 準ずる者と定義している。
引用:Hatena keywor
労働を通して社会に参加しているという定義を見ると、学生とは違いますし、気持ちが引き締まるのではないでしょうか。
では、具体的にどのような言動が社会人として求められるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
遅刻は厳禁!体調管理を意識しよう
保育士の仕事は、勤務時間が固定の施設もあれば、シフトで出勤時間がまちまちの場合もあります。学生時代には、遅刻によるペナルティーはありませんが、社会人として働く上では遅刻は厳禁です!子どもたちや保護者、そして一緒に働く保育士に対しても迷惑をかけてしまうことになるためです。
規則正しい生活を心がけ、体調管理を徹底することが、遅刻や欠勤を防ぐことにつながります。今まであまり意識していなかった人も多いかもしれませんが、社会人の基本でもある健康管理にも目を向けるようにしましょう。
相手に合わせて言葉を使い分ける
学生の時には、友達と話す時には敬語を使いません。敬語を使う相手と言ったら、学校の先生位なのではないでしょうか。
保育園には、子ども、保護者、一緒に働く保育士と立場が違う人が混在します。そして、保育士の中にも先輩保育士や後輩保育士、主任、園長と一緒に働くことになります。
そのそれぞれの立場をわきまえた上で、適切な言葉を使い分けなければいけません。
子どもには、月齢や年齢に応じた言葉を使い、保護者には敬語、そして園長や主任は職場の上司として接することになります。
子どもたちと話していた後で、保護者と話す時、うっかりタメ口になることもあるので、その場その場で誰に対して話すのか意識する必要があります。
難しいと思うかもしれませんが、仕事をしていく上で自然と見についていくものですが、気をつけるようにしましょう。
報告・連絡・相談の徹底
ほうれんそうとは、報告・連絡・相談を略したもので、仕事で知り得た情報を共有することの大事さを表した言葉です。
この報告・連絡・相談が徹底されないと、人間関係がぎくしゃくする原因にもなるため、注意が必要です。
1日に何十回も行う報告・連絡・相談は仕事をする上では必要不可欠!保育園の中で具体的に行う報告・連絡・相談についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
子どもの手本となる立ち振る舞い
保育士は、子どもたちの成長をサポートする大事な仕事です。1日の大半を保育園で過ごす子どもたちにとって、保育士は生きた教科書と言っても過言ではありません。
保育士が発する言葉を真似し、言葉を覚え保育士の動きを見て出来ることが増えていきます。
良いことはもちろんですが、悪いことも真似してしまうので、子どもの手本となる立ち振る舞いを心がけなければいけません。
それは、保育園内はもちろん、出退勤の途中でも意識する必要があるのです。子どもの見本となるべく、普段の行動を見つめ直し、子どもにとって悪いと思われることは今のうちから直すように心がけましょう。
注意を受けても絶対泣かない
社会人として仕事をするようになると、子どもへの接し方や保護者対応などで注意を受ける場面も多々あります。
学生時代に受ける注意と言えば、課題の提出忘れや、授業中のおしゃべりなど、注意を受ける場面が限られますが、保育士になると、先輩から指導してもらう立場になるのです。
新人保育士は右も左も分からず無我夢中で子どもたちと接する日々ですが、時には不本意とも取れる注意を受けることも。
最初に教えてもらっていれば回避できていたことや、経験しているからこそ分かることなどもあり、悔しい気持ちで涙が込み上げてくるものです。
でも、保育園では絶対に泣いてはいけません。それは、保育士は子どもたちの手本となる存在だからです。社会人としての自覚を持つということは、自分の行動にも責任を持つということ。それを日々意識することが重要なのです。
注意を受けたら、同じ過ちを繰り返さないように自分を見つめ直す良いチャンスと捉えて、保育園では泣かないようにしましょう。
女性社会の中でのコミュニケーション
保育園は、女性が多く働く職場なので派閥が存在する保育園も少なくありません。学生時代と大きく違うのは他のグループとも同じように接しなくてはいけないという点です。
タイプが合わなくても、仕事上では報告・連絡・相談を行い、適切な距離を保たなければいけません。このコミュニケーションが怠ってしまうと、派閥争いが激化し、人間関係にも影響を及ぼしてしまうのです。
保育士同士の人間関係が悪くなると、働きづらくなり良い保育が提供できないことにもつながります。この保育士特有の女性社会も意識した上で、苦手な保育士がいても避けたりせず関係性を保つようにしましょう。
笑顔を心がけるとチーム力が増す
仕事は遊びではありません。そのため、時には我慢しなくてはいけない場面も多々あります。それは保護者からのクレームや、子どもへの注意が入らずケガをさせてしまった。地域から子どもの声がうるさいと苦情を受けることも。
不本意なことにも対応しなければいけませんが、時にはイラッとすることもあるものです。保育士も人間なので、顔が曇ることもあります。
しかし、子どもたちは常に保育士の表情を見ているので、怖い顔になった保育士におびえてしまったら、子どもに悪い影響を与えてしまうことになります。
嫌なことがあっても、常に笑顔を心掛けていれば、周りを和ませることもできますし、辛いことがあってもみんなで支え合えるものです。
どんな場面に遭遇しても笑顔を忘れない保育士を目指しましょう。
相談できる仲間を作る
保育士の仕事に正解はありません。あの時あの子への言葉がけは正しかったのか。
もっと違う側面から伝えた方が良かったのではと自問自答する日々です。
でも、一人で悩んでいても答えは見つからないので、子どもの保育について語り合える仲間を作りましょう。
相談できる仲間がいれば、仕事上の壁にぶつかった時に助けてくれるはず。お互いの保育の質を高めるためにも、同じ志を持った仲間の存在は大きいものですよ。
保育を学び続ける姿勢を持つ
保育施設の多様化に伴い、保育は社会のニーズに即して形を変えてきています。子どもたちが日々成長するのと同じように、保育も目の前にいる子どもたちに合わせて柔軟に対応していかなければいけません。
しかし、「保育とはこういうもの!」といった決めつけや固定概念ができてしまうと、利用する子どもに応じて変えることが難しくなってしまうものです。
そのためには、社会に目を向け、話題になっている手法を学ぶ他、保育園以外でも学ぶ意欲を持ち続けましょう。
自分らしい保育士象を目指そう
あなたが保育士を目指そうと思ったきっかけは何ですか?それは、きっと「こんな人になりたい」と思える身近な保育士がいたからなのではないでしょうか。保育士として働くからには、あなたが目指したいと思う保育士のイメージがあるはずです。
優しいだけでは子どもたちは育たず、厳しくもあり包み込んでくれるような保育士になりたいなど、最終的に目指したい目標を作ることが、保育士としてスキルアップにつながります。
現状維持ではなく、上を目指して日々勉強していくという姿勢を持ち続けましょう。
プライベートはしっかり休む
保育士の仕事は、やりがいがありますが、事務仕事や残業などハードな側面もあります。
でも、仕事が休みの日には心と体を開放し、しっかり休むようにしましょう。
このオンとオフとの切り分けこそが、社会人としての立ち振舞をする上での基本になるのです。季節を感じ、心を豊かにすることで子どもたちに伝えられることも増えてくるものです。
感受性が豊かでいろいろな知識がある保育士は、子どもはもちろん、保護者や地域との関係を築く上でもきっかけの引き出しが増えるものですよ。
まとめ
新人保育士として働く上での心構えについてご紹介しました。全てをすぐに実践することは難しいので、意識しながら気をつけていくようにすると、自然と見についてくるものです。あなたがあなたらしい保育を提供できるように参考にしてみてくださいね。