保育士のボーナスってどれくらい?年代・性別ごとに徹底比較

保育士として毎日一生懸命働いているけど、給与明細を見てその金額の低さに不満を持っている人も多いのではないでしょうか。お金に関する話はあまり人には聞けないので、他の人がどれくらいもらっているのかは気になる部分ですよね。

そこで、厚生労働省が調査した「保育士等に関する関係資料」を元に、年代別にもらっているボーナスと月収、そして年収を徹底調査してみたいと思います。

あなたは平均よりも上なのか、それとも・・・知りたいけど聞けないお金の事について見ていきましょう。

ボーナスが支給される時期

ボーナスは夏と冬の年に2回支給されるケースが多く、支給日は法人によって違いますが、以下の時期が目安となります。

  • 夏のボーナス:6月10日前後
  • 冬のボーナス:12月10日前後
会社によっては決算賞与や特別賞与として業績に応じて3回支給される場合もあります。

1年目や中途で入った保育士は対象になるの?

4月入社なら最初のボーナスが夏のボーナスになりますが、新卒や年度途中に採用された保育士の場合、法人の規定で対象とならない場合があります。

また、ボーナスが支給されない保育園もありますし、ボーナスについての考え方は法人によってまちまちです。

あの保育園って給料はどれくらい?気になる保育園の待遇をチェック!

ボーナスの平均

厚生労働省の調査によると、男女別の平均は下記のようになりました。

  • 男性保育士:636,000円
  • 女性保育士:569,400円
これらの金額は手取りではなく、この金額から各種年金や保険所得税などが引かれて支給されます。

この金額は振り込まれるのではないので注意してくださいね。手取りの目安としては、個人によって控除されるものが違うので、一概には言えないのですが、75~85%ほど。およそ80%と考えて計算してみてください。

女性保育士がもらう平均のボーナスが569,400円と書いてあると「そんなにもらっていない!」と思うかも知れませんが、ボーナスの回数は法人によって違うので、あなたの保育園では何回支給されるのか確認しておきましょう。

【1回のみの支給なら】

  • 男性保育士:636,000円
  • 女性保育士:569,400円

【夏と冬の2回支給なら】

  • 男性保育士:318,000円×2回
  • 女性保育士:284,700円×2回

これは全世代の平均ですが、あなたがもらっているボーナスや給料と比べてどうしたか。
続いて、男女年代別に分けて細かく見ていきたいと思います。

女性保育士のボーナス平均

女性保育士の平均ですが、同じく厚生労働省の発表によると以下のような結果になりました。

  • 20~24歳: ¥352,500
  • 25~29歳: ¥555,200
  • 30~34歳: ¥548,900
  • 35~39歳: ¥630,400
  • 40~44歳: ¥702,500
  • 45~49歳: ¥670,900
  • 50~54歳: ¥688,300
  • 55~59歳: ¥848,400

20代から30代、30代から40代と経験を積むとボーナスも高くなりその結果年収も上がっていることが分かります。

年代別に見ると将来的にこれ位もらえるという見通しが持てるのではないでしょうか。

あなたが貰っている金額は平均と同じ位でしたか?それとも上でしたか?平均を知ると自分の給与の相場が分かるのでこの結果を見て改めて給与明細を確認してみましょう。

男性保育士のボーナス平均

次は男性保育士についてです。

厚生労働省の「保育士等に関する関係資料」によると、平成25年度の保育士登録者数は1,186,000人のうち、女性保育士は1,136,000人に対して、男性保育士は50,000人という事が分かっています。

これを全体の比率に換算すると、男性保育士の割合は4.2%ということに。しかし、あくまでも保育士として登録した人数であって、実際に勤務しているかどうかは分からないため、実態は4%以下と考えて良いでしょう。

それを踏まえて、男性保育士の給与事情を見てみると以下のような結果になりました。

  • 20~24歳: ¥278,000
  • 25~29歳: ¥604,600
  • 30~34歳: ¥718,200
  • 35~39歳:¥1091700
  • 40~44歳:¥1158000
  • 45~49歳: –
  • 50~54歳:¥1026500
  • 55~59歳: ¥840,600

20代前半と20代後半を比較すると、ほぼ倍の支給になり、年齢と経験を積むと相応に増えて行くことが分かります。

他の業種や同年代と比較すると、低い傾向にありますが、これから男性保育士の活躍の場が広がり、制度が充実していけば、給与体系も確立し年収アップにつながるのかもしれません。

ボーナスの額と回数が年収を左右する

あなたのボーナスが平均より上か下か確認することはできましたか?上なら今の環境が恵まれている事になりますが平均よりも下なら、ショックですよね。

ボーナスは年収を左右するものだけに、高いか低いかは気になる部分ですが、着目して欲しいのはボーナスの支給に対する法人の考え方が非常に重要なポイントになってくるのです。

数字が並んで良く分からないという人も、大事な部分なので細かく見ていきましょう。

ボーナスの仕組み

ボーナスとは、別名賞与とも呼ばれ、江戸時代の商人が奉公人に8月のお盆と12月の年末に氷や餅代として配ったことがはじまりとされます。

現在では7月と12月にボーナスとして支給する法人も増えてきましたが、労働基準法ではボーナスの支給に関する規定はありません。

はじめから基本給に含めボーナスを支給しなくても違法にはなりません。逆に、人件費を抑えるため基本給を低めに設定し、ボーナスで還元するという方法も。でも、入ってみてボーナスがないと分かったらショックですよね。

では、どのようにボーナスの金額を決めているのでしょうか。大きく分けて人事評価制度と定額方式という方法があります。

ボーナスを決め方は人事評価と定額制。

人事評価制度とは一人ひとりの評価に応じて支給する金額を変える。それに対して定額方式はがんばっている人もそうでない人も一律というものです。

最近では、評価制度を用いて支給する法人も増えてきています。ボーナスの計算方法は法人によってまちまちですが、分かりやすい例を一つ紹介してみたいと思います。

ボーナスの計算方法(参考)

ボーナスってどのように計算されているのかさっぱり分からないんです。
給与明細を見て「こんなものか」と、どのように計算されているのか知らない人も多いのです。計算方法の一例をご紹介していきましょう。

例えば保育士の評価制度を取り入れている保育園があったとします。7月と12月に支給するため、個人ごとに目標設定を行い、その達成度を園長が査定し、評価を決めます。

評価はランク付けされ、ランクによって支給される月数が変わるという仕組みです。下記の例では、評価がSの場合は基本給の額に1.5倍した金額がボーナス額となり、D評価なら基本給の半分しか支給されないということになるのです。

【評価制度によるボーナスの計算例】

評価評価係数基本給が¥200,000の場合のボーナス額
S評価基本給の1.5か月分¥300,000
A評価基本給の1.2か月分¥240,000
B評価基本給の1.0ヶ月分¥200,000
C評価基本給の0.8か月分¥160,000
D評価基本給の0.5か月分¥100,000
上記の評価額から社会保険などが引かれて支給されるので、実際に得られる金額は8割程度になります。

園長は保育士と面談し、目標の設定と達成度について確認をし保育士の評価を法人に提出し、金額が確定します。上記の評価は一例であり、法人によって評価係数やランクのつけ方はまちまち。

また、働く保育士が多い場合は一律で金額を決めて支給するケースも少なくありません。具体的に基本給が違う3人を例にとってどのように計算されるのか見ていきましょう。

  • Aさん基本給:¥200,000
  • Bさん基本給:¥220,000
  • Cさん基本給:¥250,000

【Aさんに対する園長の評価】

Aさんは毎日真面目に取り組み、分からないなりにも、保護者と積極的にコミュニケーションを取っている。みんながやりたがらない掃除や他の保育園との交流行事の提案や実施など保育園の運営に大きく貢献したことから、S評価

【Bさんに対する園長の評価】

Bさんは、遅刻が多く勤務態度に少々問題あり。保護者からのクレームも複数と多く改善の意思が見られないことからC評価

【Cさんに対する園長の評価】

Cさんは、経験はあるが、若手保育士の育成に消極的で、一般保育士からの評判も悪い。しかし、地域からの信頼も厚く、地域の対応に力を発揮してくれたことから、B評価

という査定になったとします。この場合、だれがどのくらいの金額になるか分かりますか?答えはこちら

評価評価係数Aさん基本給
¥200,000
Bさん基本給
¥220,000
Cさん基本給
¥250,000
S評価基本給の1.5か月分¥300,000¥330,000¥375,000
A評価基本給の1.2か月分¥240,000¥264,000¥300,000
B評価基本給の1.0か月分¥200,000¥220,000¥250,000
C評価基本給の0.8か月分¥160,000¥176,000¥200,000
D評価基本給の0.5か月分¥100,000¥110,000¥125,000

基本給が一番低いAさんが¥300,000
Bさんは¥176,000
Cさんは¥250,000という結果に。
この金額から保険や税金などが引かれて手取り額として支給されます。

仕事をがんばった事が評価として返ってくるのに対して、定額方式の場合、基本給に関係なく全員が100,000円や50,000円と法人が決めた額がボーナスになってしまうのです

基本給は低めでもボーナスの考え方次第で年収UP

毎月手にする給与は、高ければ高いに越したことはありませんが、実はボーナスの支給に対する考え方が年収に大きく影響してくるのです。つまり、評価制度を導入していれば、がんばれば自分に返ってくるのに対して、定額方式なら年収の予測が立てづらくなります。

毎回業績に応じて変わることを考えると、前回は100,000円のボーナスが50,000円に下がってしまったら年収も下がることになってしまうのです。

このボーナスの支給については、就業規則で定めている法人が多いのですが、難しい文言が並んでいるので理解しづらいという難点があります。

そして気になる評価制度についても、保育士に対して評価をきちんと伝える所もあれば、査定の資料として使用しフィードバックしない所も。

フィードバックがなければ、自分の評価が分かりませんし、結果的に明細を見て判断するしかないのです。でも、一例ですがこのような仕組みが導入されていることが分かれば、求人票を見る時のポイントも変わってくるのではないでしょうか。

ボーナスを多くもらうためには

保育士がもらえるボーナスの平均を見た上で、明らかに金額が少ない場合は、将来性が期待できません。保育士の仕事に対する対価が正当に評価されていないことになるので、保育士のキャリアを生かせる職場にキャリアチェンジするのも選択肢のひとつです。

求人票には、給与とボーナスなど労働条件が書かれているので、ボーナスが何回支給されるのか、そしてどれくらいもらえるのかもチェックした上で転職先を選ぶようにします。

しかし、保育士の求人はとても多いので求人票を見比べて応募先を選ぶというのは非常に難しい状況になっています。

そこで、保育士の求人を扱う転職支援サービスを利用しましょう。

転職支援サービス利用の流れ
  • 会員登録
    キャリアアドバイザーから電話 or メールで連絡
    希望する条件を伝える

    • 雇用形態:正社員・パート・派遣・その他
    • 施設形態:小規模・大規模・事業所内保育所・その他
    • 通勤可能なエリア 例:自宅から1時間以内・〇〇沿線等
    • 希望給与額:月額24万円以上・ボーナス年2回3ヶ月以上等
    • 福利厚生:退職金制度あり・休暇制度が充実
    • 就業開始日:なるべく早く・3ヶ月以内・6ヶ月以内等

  • 求人紹介
    希望する条件を合った保育園の求人を紹介

    • 面接を受ける保育園を複数選んで日程を調整してもらう。
    • 見学の調整も可能

  • 面接
    面接対策

    • 希望者には、履歴書の添削や面接対策を実施
    • 代理で給与の条件交渉も可能
    • 内定を辞退したい場合は代理で伝達してもらえます。
  • 合否
    内定
    内定後のフォローと入職手続きに向けてサポート
納得のいく転職先が見つかるまで丁寧にサポートしてくれます。

まとめ

いかがでしたか。周りの保育士がどれくらいボーナスをもらっているのかは非常に気になる部分ですが聞くに聞けないのが現実。

また、年代別の平均を知ると、今の職場が恵まれているのか、そうでないのかも明らかになります。上記の平均を参考にして今後のキャリアデザインを考えるヒントにしてみてください。

もし、平均よりも下で評価内容もあいまいなら今後も続く可能性があります。現状維持ではなく給与アップを目指すなら保育士の求人を扱う転職支援サービスに相談してみましょう。
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