ある男性の投稿から、保育士の姙娠順番ルールの存在について注目が集まりました。
結婚や姙娠、出産を考えている保育士ならなおさら、この姙娠順番ルールは人生に直結するものなので、どうするべきなのか迷う部分なのではないでしょうか。
そこで、保育士の姙娠順番ルールについて、ルールができた背景や、妊活に向けて考え欲しいことについて考えてみたいと思います。
姙娠順番ルールとは
そもそも姙娠順番ルールとは一体どのようなものなのでしょうか。
女性保育士が多く働く保育園では、姙娠が重なるとさまざまな影響があることから、園長が独断で、しかも暗黙のルールとして結婚した順番から姙娠をと定めているケースがあります。
「姙娠順番ルール」と言うと、聞こえは悪いですが、保育園の運営を円滑にするために、あえて設定している場合もあるのです。
このルールができた背景には、姙娠が重なって人の補充が大変だったことや、つわりで休む事で保育士が入れ替わりでクラスに入り、子どもが落ち着かなかった事も要因として考えられます。
しかし、このような背景があったとしても、ルールとして保育士に強いるのはいかがなものなのでしょうか。
保育園側が受けるリスク
保育園側が「姙娠順番ルール」という暗黙のルールを作った背景には、さまざまなリスクがあります。
では、どんなリスクがあるのか、これから姙娠を考えている保育士の皆さんも、改めて見ていきましょう。
期間限定代替保育士の確保が困難
姙娠はとても喜ばしい事ですが、保育士は配置人数があるため、子どもの安全も最優先にするためにも、産休に入る場合、代わりの保育士を採用しなければいけません。
代わりの保育士は、常勤ではなく、派遣や契約社員、非常勤やパートという不安定な雇用に。
そして、産休取得なら約4ヶ月、育休を取得するなら最長2年という期間限定であるということが、採用のハードルを上げてしまっています。
保育士として働きたいけど、保育園側の都合に合わせて働いてくれる人を見つけるのは非常に難しい現状があるのです。
姙娠が重なった時のシフトの調整が難しい
もし、姙娠順番ルールがなく、保育士個人の判断で姙娠ができるとしたら、姙娠が重なってしまうことも十分考えられます。
そして、中には結婚前に授かり婚をするケースも。
もし、出産の時期は違ったとしても、姙娠している保育士が多ければ、つわりで休まざるを得ない場合も出てきますし、その都度、シフトを調整して体制を組み直さす必要も出てくるのです。
結果的に、姙娠していない保育士に負担がかかる。
勤務を交代して休み返上ということが続くと、保育士にも疲れや不満が溜まってしまうのです。
姙娠が重なった場合保育園運営にも支障が
保育園は園児の受け入れ人数に応じて保育士の配置人数も決まっています。
姙娠した保育士がいれば、みんなで助け合ってフォローすることができますが、もし複数の保育士の姙娠が同時期になったとしたら、人手が足りず、お散歩に行く体制さえも確保できなくなってしまいます。
子どもがケガをした時の緊急対応や、保護者に状況を説明しなければいけない場面など。
体調不良を配慮すると、どうしても保育園の運営に支障をきたしてしまうことも考えられるのです。
籍を置いたまま産休育休を繰り返す保育士の問題
出産後も保育士として勤務を希望する場合は、産前産後休暇を経て、法人が規定している育児休暇を取得して復帰することができます。
しかし、中には、この産休と育休の間に第2子を授かり、籍を置いたまま産休と育休を繰り返す保育士がいるとしたら、一緒に働く仲間はどう感じるでしょうか。
姙娠はおめでたいことだが、続けて取得することはいかがなものか。
妊活に励んでがんばっている保育士もいるのに、継続して休んだら、他の保育士が産休を取れないのではないか。
続けて産休と育休を取得するケースは非常にまれですが、多くの保育士が働く職場では、ある程度ルールを定めないと無法地帯になってしまうという問題点もあります。
姙娠順番ルールは姙娠を望む権利すら、決められてしまうという側面もあります。
しかし、子どもたちへの影響も少なからずあるとすると、妊活の計画は働く上で意識しなければいけない事かもしれません。
姙娠順番ルールは致し方ないという保育士の声も
姙娠順番ルールについては、否定的な意見もある中、保育園側のリスクも分かった上で「納得できる。」「致し方ない」という声もあります。
それは、中途で入ってきたのに1年もたたないうちに姙娠するケースや、姙娠を理由にシフトの交換を余儀なくされたなど。
良かれと思ってフォローしている保育士が迷惑している事を意味するのかもしれません。
ルールが納得できるものかどうかが大事!
あなたの保育園でこの「姙娠順番ルール」は存在しますか?おそらく、保育園に勤務してはじめて聞くか、誰かが姙娠してそのルールがある事を知る人も多いのではないでしょうか。
大事なのは、納得できるものかどうかということ。
なぜこのルールがあるのか、どこまでは許されて、どこからが迷惑をかけてしまう行為なのかが明確になっていることです。
結婚から姙娠という順番はあるにせよ、他の保育士に迷惑のかからない範囲で、と選択が保育士に委ねられている場合と、ガチガチにルールとして定められている場合では、姙娠に対しての見解も変わってきます。
あなたの保育園でも、姙娠に対してのルールがあるかどうか、さりげなく先輩保育士に聞いてみましょう。
姙娠順番ルールが保育士に与える影響
守らなければいけない約束として「姙娠順番ルール」が義務付けられているなら、保育士やその家族には大きな影響があります。具体的にはどんな影響があるのでしょうか。
順番が回ってきても姙娠できる保証はない
結婚した順番を守らなければいけないのなら、そこには妊活が許可される人数が明確になっているはずです。
2人待ちなのか、それとも5人待ちなのか。姙娠するタイミングを考えると、3人待ちなら最短で3ヶ月待ちということに。仮に順番が回ってきたとしても、そのタイミングで姙娠できる保証は全くありません。
妊活が続けば続くほど、待たせてしまうことになりますし、そのプレッシャーがストレスになり授かることにつながりません。
待っている立場なら、早く姙娠して欲しいと思うものですが、待たれる立場なら、早く姙娠しなくてはと、自分自身を追い込んでしまうことになるのです。
子どもの人生にも影響が
順番待ちをした結果、結婚して数年たってから授かった場合、出産のタイミングも大きく変わってきますし、その結果子どもの人生にも多大なる影響を与えてしまいます。
保育士はもちろん、家族や子どもにまでも影響を与える姙娠順番ルールは守るべきなのか、それとも家族で話し合って決めればいいのかは非常に考えさせられる問題です。
姙娠を希望する場合
もし、これから結婚の予定がある場合や、姙娠をのぞんでいる場合はどのようにしたら良いのでしょうか。
園長や主任に相談しておく
姙娠を希望するなら、結婚というステップを踏んだ上で、妊活を考えていることを園長や主任に相談しておきましょう。
内緒で妊活する場合は、通院のために休む日も増えてくるかもしれませんし、姙娠のためになるべくストレスがかからないように配慮してくれるかもしれません。
もし、園長に報告した時点で、「順番を守りなさい」と言われたら、ルールを守ることを強要される可能性があります。
妊活を優先したいなら、退職して理解のある職場を見つけることをおすすめします。
妊活に理解のある職場へ異動
園長や主任に相談しても、他の保育士が同じように妊活を考えているなら、当然姙娠が重なってしまうことも考えられます。
他の保育士に迷惑をかけてしまうことになるので、運営している施設が複数あるなら、妊活に理解のある職場に異動を希望しましょう。
シフトに影響の少ないパートになる
姙娠順番ルールは、責任のある常勤に強いられている場合があるので、同じ職場で姙娠を望むなら、時間的な制約も少ないパート保育士になるという方法もあります。
パート保育士なら、休みも優先してもらえますし、なるべくストレスがかからない方法を見出していく必要があります。
暗黙のルールがあるなら環境を変えよう
姙娠はあなたにとって人生の大事な時期になります。
これから妊活をスタートさせるなら、職場の理解は必要不可欠!
姙娠したことで謝罪を強要される職場は赤ちゃんにとって良い環境とはいえません。
もし、守らなければいけないルールがあるなら、早めに環境を変えて、仕事と妊活の両立ができる職場を見つけましょう。
ママとなるあなたが穏やかに過ごせてこそ、心と身体のバランスが取れるのです。
でも、求人票では細かなルールが書かれていないですし、どうやって妊活に理解がある職場かどうかを判断したら良いのでしょうか。
求人票では暗黙のルールは分からない
求人票は、給与や待遇面の記載がほとんどなので、職場の人間関係や保育士としてのキャリアビジョンについて書かれていません。
転職してどれくらいたったら姙娠がOKなのかは気になる部分ですよね。姙娠後は育休がどれくらい取れるのか、育休を取って復帰している人はいるのか。考えだしたらキリがありません。
そんな保育士の悩みに寄り添い、最適な保育園を紹介してくれるのが、保育士の求人に特化した転職支援サービスなのです。
転職支援サービスの必要性
姙娠を考えているなら、職場選びは非常に重要です。
姙娠に至るまでと、妊娠期間中は保育士のサポートを受けながら仕事を進めていかなければいけません。
そして、出産して育休を取得、復帰する時に気持ちよく迎え入れてくれるかどうかも非常に重要なポイントです。
でも、求人票ではこれらの情報は分かりません。それに対して転職支援サービスは多くの保育園の情報を持っていること。そして多くの保育士を紹介していることから、保育園の評判や口コミ、情報などを多数持っているので、保育士のニーズに合わせた保育園を紹介してもらうことができるのです。
もちろん、入職してからのアフターフォローも万全なので安心!
働く上では職場のルールを守ることも大事ですが、納得できないものなら、環境を変えて赤ちゃんを迎えいれる為の心と身体の準備をしましょう。
まとめ
いかがでしたか。姙娠順番ルールは決して他人事ではありません。大事なのはあなたと家族の中で十分に話し合い、職場に迷惑をかけない形を考えるということ。大事な問題だからこそ、いろいろな方法を模索して最善の道を選べるよう陰ながら応援しています。