保育園で働く中で一度や二度「こんな保育園なんか辞めてやる」と思ったことはありませんか。しかし、いろいろな事を考えてしまい退職を躊躇してしまう。
なぜ「辞めさせてください」の一言がいえないのでしょうか。保育士が退職を躊躇してしまい理由と解決法について考えてみたいと思います。
保育士に相談して気持ちが揺れてしまっている
同期の保育士に悩みを相談している人も多いのではないでしょうか。「一緒にがんばろう」と励まされると嬉しいものですが、あれこれ話し過ぎてしまうと、「相談に乗ってくれた保育士を残して退職するのは、裏切りになるのでは」という錯覚に陥ってしまうものです。
相談することで、一時的に気持ちは楽になりますが、相手に依存することで、見えない仲間意識が強くなっているのかもしれません。


もう少し我慢すれば変わるのではないかという期待
保育園の中の人間関係で悩んでいたとしたら、中途で新しく保育士が採用されることで、状況が変わる場合もあります。
でも確実に変わるという保証もありません。時間が解決してくれるかもと我慢して毎日を過ごしていたら、いつか心と体のバランスを崩してしまう可能性も考えられます。
「変わるのでは?」とうい期待は、あなた自身が行動を起こすのではなく、誰かに解決して欲しいという表れかもしれません。あなたのことはあなた自身で守ってあげましょう。
新しい保育園が見つかるかどうかという不安
保育園を辞めて、次の保育園が見つかるかどうかという不安は誰もが感じる壁ですよね。そして、また同じような揉め事に巻き込まれたら、せっかく転職した意味がありませんし、勤務するなら、定年まで同じ保育園、もしくは同じ法人で働き続けたいと思うもの。
でも、希望に近い保育園が見つかるかどうか。どうやって保育園を見つけたら良いのか。仕事してみないと保育園内部の情報は分からないし、同じように悩むのは嫌!考えだしたらきりがありません。


第三者に相談してアドバイスを受ける
友達や保育士に相談すると、どうしても情があるため、雰囲気や言葉に流されてしまうものです。こんな負のスパイラルに陥ってしまった場合は、第三者に相談してアドバイスを受けるのが、長く暗いトンネルを抜ける一つの方法になります。
保育士が抱える悩みに寄り添い、職場での相談の他、転職先の紹介などもしてくれるのが保育士専門の求人を扱う転職支援サービスです。
各会社にはコーディネーターと呼ばれるプロが在職し、相談に乗ってくれます。

登録は無料で、就業後のサポートもしてくれるので、相談してみてはいかがでしょうか。
保育士に迷惑がかかることを考え過ぎている
保育園では多くの保育士が働き、シフトで保育士の配置人数を確保しながら子どもたちの保育にあたっています。
働く保育士が多い分、シフトの調整も難しい部分があり、有給を申請するとその分だれかに勤務を変わってもらうなどの調整をしなければいけません。
年度途中に辞めることが、どれだけ保育士に迷惑がかかるか分かっているため、辞めるタイミングを逃してしまう人も少なくないのです。
迷惑がかかるから辞められない。そのような想いがあなたの辞めたいという気持ちを邪魔していませんか。
誰かが急に体調不良で休んだ時も、みんなで協力して体制を整えることができるので大丈夫!周りのことを考えるのは大事ですが、今はあなた自身のことを最優先に考えてみてくださいね。
残る保育士でやりくりするので大丈夫!
考えすぎると退職するタイミングを逃してしまいますし、他の保育士が退職の意向を伝えたら、ますます辞められなくなってしまいます。
迷惑をかけないためには、就業規則を見て、退職する日の何ヶ月前までに伝えるというルールを守れば辞めることは可能です。
意外と退職してからも、その関係が続き前の会社の保育士とつながっている人も多いものです。あなたとの信頼関係があれば、転職してもそのご縁は続くので安心してください。
引き止めて欲しいという期待
保育士として働く上で、さまざまな悩みはあっても、担当している子どもたちはかわいいものです。できれば、卒園まで成長を見届けたいものですがそれまでメンタルが持ちそうにない。
そんな、気持ちが揺れ動く中で、子どもたちや保護者から信頼を得ているあなたは、心のどこかで、退職を伝えた時、引き止めて欲しいという気持ちがあるのではないでしょうか。
引き止めてもらえれば、保育士として働いていたことが認められることになりますし、
「分かりました」と即答されるより、「退職する本当に理由を聞かせて」「あなたは子どもたちに慕われているから、辞めないで欲しい」と言われたいものですよね。
今のあなたにとって、この引き止めて欲しいという気持ちは心の中にありますか?それとも、全くそんなことは考えていないと言い切れますか。
「引き止めるのは、保育士が不足しているから。」と考えると気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。
未練があるなら気持ちを整理することから始める
引き止めて欲しいという気持ちが少しでもあるなら、保育園への未練が断ち切れていない証拠。今はもしかしたら、転職するタイミングではないのかもしれません。
でも、辞めたいと思う気持ちのほうが強いのなら、自分と向き合い、自分の気持ちを整理することからはじめてみましょう。
退職を決意し、辞めるための準備にとりかかる。転職を考えるなら、退職してから転職活動をするのか、それとも働きながら転職活動をするのか、考えなければいけないことはたくさんあります。その先に明るい未来が待っているとしたら、あなたならがんばれるはずです。
保育士の退職実態
参考:社会福祉施設等調査
仕事に対してのモチベーションが下がっている時には「保育士を辞めたいのは私だけでは?」と思ってしまう人も多いかもしれませんが、実は退職の道を選ぶ人も少なくありません。
厚生労働省が調査した「社会福祉施設等調査」によると、平成27年10月1日~平成28年9月30日までの間に保育所を退職した人はなんと!全国で29,030人にも及びます。
保育園を退職することは、決して悪いことではなく、むしろ人生を選択できる機会が与えられていると言っても過言ではありません。
大事なのは、自分に合った保育園を見つけることです。何度も転職を繰り返すことは、経歴に傷がついてしまうので、おすすめできませんが、退職する理由が明確であり、長く働くことを優先した転職活動なら保育園からも求められるのではないでしょうか。
保育士の有効求人倍率
参考:厚生労働省「保育士確保集中取組キャンペーン」
保育士を退職した後は、いろいろな選択肢があります。
- 保育士から異業種へ
- 違う保育園へ転職
- 派遣保育士としてキャリアを積む
- 非常勤保育士として働き方を変える
- 給与や待遇を重視した働き方を求めて転職する
これらは、ほんの一部ですが、保育士の働き方は他の業種と比べてライフスタイルや考え方によって働き方が選べるということは大きな特徴です。中には、 異業種に転職した後、もう一度保育士に復職という人も。
さまざまな働き方を模索できるのは、社会が保育士を求めているためです。それを表す指標が、厚生労働省が集計している有効求人倍率です。2016年11月の調査では、上記のような結果が公表されました。
この数字を見ると、求人倍率が2倍を超えている都道府県が21箇所もあり、その数字の高さからも保育士が社会に求められていることが伺えます。
つまり、求人倍率が高い今が、自分らしく働ける職場を見つけるチャンスなのです。
この有効求人倍率は、月ごとに変動するため、保育士の定員が満たされれば、少しずつ求人が減っていくことも十分考えられます。
もし、辞めたいのに言えないことをなんとかしたいなら、保育士専門の転職支援サービスに相談して、解決できる道はあるのか、それとも転職すべきかを相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。保育園は場所によって働く環境は大きく変わります。でも、働くなら悩みがない所で働きたいと思うのは、決して高望みではありません。自分で実現するのが難しいと感じているなら、保育士専門の転職をサポートしてくれる会社に相談して、今後の流れや将来について相談してみましょう。