あなたは他の保育士が子どもに接する姿を見て、「このやり方はどうなの?」と感じた事はありませんか。保育士生活が長くなればなるほど、子どもへの接し方や保育について自分の中で考えが確立してくるものです。
「手をかけ過ぎでしょ」と思うことや、「上から接しすぎ!子どもの声を聞いていない」という場面に遭遇することもあるかもしれません。
ここでは、保育観が合わないと感じた時の考え方や、対処法についてご紹介したいと思います。
保育観は違って当然
そもそも保育観とはどういうものなのでしょうか。保育観とは、保育士が子どもと接する上で大事にしている考えの一つで、文字や言葉として表現するのは難しいものです。
辞書や教科書には定義されていない事から、保育士一人ひとり性格が違うように、保育観も違って当然なのです。
年齢や経験、そして今までの生き方から保育に対する考え方が確立されていくものなので、同じ保育観を持つ人はいないと考えた方が良いでしょう。
全く同じ考えの人はいなくても、どこか共通する部分があると仕事もやりやすくなるものです。保育観はみんな違って当たり前と考えると、気持ちも楽になるのではないでしょうか。
保育観は経験と共に変化していく
保育士の仕事は毎日慌ただしく過ぎていきますが、その分やりがいも得られます。子どもたちのふとした表情や、けんかにトラブル、さまざまな経験が保育士としての価値観を育んでいくのです。
保育士1年目としてはじめて子どもたちと接した日と、今のあなたでは、感じる事や子どもたちへの接し方も大きく違うのではないでしょうか。

保育士として経験を積めば積むほど、保育観も変わってきますし、子どもへの感じ方や接し方が変われば、他の保育士との違いも気づくきっかきになるのです。
保育観の違いを感じたという事は、あなたが保育士として成長している証拠。
相手の考えも受け止めた上で、子ども達への接し方を見直す時期なのかもしれません。
大事なのは子どもに合わせる事
あなたが、保育士として大事にしている事は何ですか?その考えを否定された時、保育観の違いを意識する事になります。
子どもへの叱り方や言葉のかけ方、けんかした時の仲直りのさせ方や、保護者対応など。時には他の保育士の対応が、自分の考えと合わずぶつかる事もあるかもしれません。


でも待って!大事なのは、あなたの考え方を押し通すのではなく、今いる子どもに合わせる事を最優先にしなければいけないのです。
いろんな考えを知ってこそ保育士として成長できる
保育の場面では、意図してやった事でも時としてその考えが保育士に伝わらない場面も多々あります。もう少し様子を見て、声をかけようと思った時に、その考えを汲み取ってもらえないとイラッとするものです。
叱り過ぎや、叱らな過ぎ、そして良い部分を汲み取ってあげない時や、子どもの前で他の保育士の悪口を話すなど。保育観という枠を超えて、人としてどうなのかと思う時もあるのではないでしょうか。
でも、いろいろな考えを知ってこそ、保育士としての経験やスキル、引き出しも増えていくのです。何も考えず、子どもと接するだけでは向上しません。保育士としてスキルアップする時期だと考え、自分ならこうすると振り返るようにしましょう。
どうしても賛同できない場合
きっかけがなければ、保育の中身について考える事もないですし、保育の引き出しを増やすことはできません。保育に対して自問自答する習慣があれば、納得いかない場面にも遭遇するものです。
「もっと違う言葉のかけ方があったのでは」

- 話し合う
- 提案する
- 妥協点を見出す
- 先輩保育士の意見を聞く
話し合う
子どもたちが帰ってから、どのような意図があったのか、どうすべきだったのか、保育士と話し合ってみましょう。
バトルになるのは嫌ですが、時には本気で話し合う事も保育士としては必要な事です。あなたが思ってもいなかった意見が聞けるかもしれませんし、腹を割って話さないとわからない部分もたくさんあります。
日にちが経ってから話し合うと、状況もあいまいになってしまうので、気になることがあったらその日のうちに解決するようにしましょう。
提案する
話し合って保育士の意図が分かる時もあれば、余計イラッとする事があるかもしれません。そんな時は、あなたが大人になって、自分の意見を提案してみましょう。
あなたの考えや保育観を伝えるのではなく、あくまでも提案として伝える事を意識して、お互いに歩み寄れるように話し合っていくのです。
保育士同士のバトルは、人間関係にも大きく影響しますし、働きづらくなってしまったら元も子もありません。
提案するというスキルは、保育士人生の中でたくさん使う場面があるので、今後のためにも円満に話し合いが終息できるように提案するスキルも磨きましょう。
妥協点を見出す
話し合っても、提案してもダメなら、最後は妥協点を見つけるしかありません。
どんなに話し合っても、歩み寄れない保育士もいるものです。
育ってきた環境が違うように、保育観の違いを埋める事ができない保育士もいるので、見切りをつけて、妥協できるラインを見つけて提案します。
話し合いや提案を受け入れない保育士とは、信頼して仕事ができませんし、振り回されて保育をするより、思い切って働く場所を変えて見るのも一つの方法です。
先輩保育士の意見を聞く
先輩保育士は、経験がある分さまざまな修羅場も経験しているはずです。あなたの考えと、今までの経過を相談して、意見を聞いてみましょう。
先輩から保育士に指導してくれる場合もありますし、妥協点の見つけ方や、合わない保育士とのコミュニケーションの取り方などもアドバイスしてくれるかもしれません。
いろいろな方法を試してみて、それでもあなたの方から歩み寄らなければいけない関係なら、あなたの保育観に近い保育園を探してみませんか。
保育園の方針や理念は最初に確認を
保育士の保育観は違って当然ですが、保育園全体の方針や理念という共通の目標は意識しなければいけません。しかし、保育観の違いから話し合いを重ねていくと、元々の保育園の方針や理念を理解していないことから考え方の違いが生まれている可能性もあります。
保育観は違っても、方針や理念は意識しなければいけないので、今の職場の方針や理念について再確認してみましょう。
思い切って転職して、新しい保育園でスタートを切ろうと思うなら、保育園の方針は必ず確認し、あなたの保育観に近いかどうかも重要なポイントですよ。
保育園の理念についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
保育観の違いに悩むという事は、あなたが保育士として日々試行錯誤しながら仕事に励んでいる証拠です。 話し合っても提案しても、妥協点を見つけてもダメという場合もあります。その経験こそが保育士としての引き出しを増やす機会だと思っていろいろな方法を試してみましょう。