保育士が遭遇するいじめの実態。泥沼から抜け出す為の対策と対処法

子どもと接する保育士は、世間から「優しい人」や「家庭的」という印象を持たれがちですが、実は表に出ない陰湿ないじめが存在しています。

もし、あなたがいじめのターゲットになってしまったら、どのようにしたら良いのでしょうか。いじめの対象となってしまった時の対処法について具体的な事例を元に考えてみたいと思います。

園長や主任からのいじめ

保育士の世界は女社会なので、どうしても立場が上の園長や主任から嫌がらせを受けることも少なくありません。

園長や主任は管理職で、保育園の運営に努力している人も多いのですが、ごく一部の管理職の中には、権力を使って保育士をいじめる人も。どのようなものがあるのかについて具体的な事例を見ていきましょう。

雑務を押し付けてくる

保育士の仕事は保育が中心ですが、「ここが汚れているから掃除しといて」という雑務や「何日までに書類を出して」など、突然事務を強要して困らせるということも。

他の保育士に対しても同じように指示しているならまだしも、あなただけならそれはあえてターゲットを絞って困らせているのかもしれません。

これやっといてくれる?
なんで私だけ?
園長からの指示であっても、受けるべきことと、嫌がらせのラインを見極めるのは難しいですが、子どもがいるのに雑務を押し付けてくる時は要注意

保育観の押し付け

園長や主任として働く人たちは、保育の経験があるため、管理する側の職務についています。
しかし、その経験を保育観として押し付けてくることありませんか。

子どもが落ち着かなかったら、厳しく叱って注意しなさい
親は仕事で疲れていても、夕飯を食べさせて21時までに寝かせなくてはダメ

などなど。子どもたちの状況はもちろん、保護者の就労を全く無視した発言ですし、一方的に押し付けられても、保育士側は反論できません。

あえて反論できないのを分かっていながら、主張をするのは聞く側にとっては苦痛でしかないですよね。

園長や主任であっても、間違った考え方を持っている人もいるということを頭に入れておきましょう。

クレームや保護者対応を押し付ける

保育中に事故やケガが起きてしまった時、保護者に状況を説明しなければいけません。
どんな状況だったのか確認もせず、一方的に「あなたの責任だから、自分で説明しなさい」と丸投げをし、全く関与しないという経験はありませんか。

大枠の説明は保育士側からするにしても、保育園の代表として謝罪のひとこともしないのは、責任のなすりつけとしか思えません。

そして困っているあなたの姿を見て、「これだから若い保育士は・・・」と笑っているとしたら、これはもういじめの何者でもありません。

先輩保育士からのいじめ

次に多いのが、同じ一般保育士という立場でありながら、先輩というだけで嫌がらせをしてくる先輩保育士の存在です。

園長や主任に見つからないように、巧妙にしかけてくるあたりが、いじめ慣れしているともいえます。では、どんな嫌がらせをしてくるのでしょうか。

聞こえているのに挨拶は無視

出勤後の挨拶は、1日をスタートさせる上で非常に重要なコミュニケーションです。
「おはようございます」と挨拶しても、聞こえているのに、毎回挨拶を無視されるという経験はありませんか。

他の保育士や子ども、保護者に対しては満面の笑みで挨拶するのに「どうして私だけ無視?」と思うほど露骨。朝からテンションを下げる大きな要因の一つなのではないでしょうか。

態度の変化はいやがらせの第一歩です。

最低限の報告や連絡さえもしてもらえない

挨拶は無視されても、保育中の報告や連絡もしてもらえないというケースも少なくありません。間に入ってくれる保育士から状況を聞き、その情報を元にしのいでいる状態。

人に対しての好き、嫌いはあるにせよ、最低限の報告・連絡をしないのは社会人として最低ですよね。

子どもに悪口や嫌味を吹き込む

いじめ慣れしている保育士は、時と場所を選びません。子どもが保育士の注意が入らない時など、子どもに話しかけるようにしながら、

「◯◯先生の言うこと聞かなきゃダメだよ~」と子どもを介して嫌味を言ってくるケースも。

子どもに話しかけているようにしながら、実際は「それって私のこと言ってない?」と思ったことはありませんか。それも立派ないじめです!

経験年数によるランク付け

保育園では、何年現場経験をしているかという経験年数にこだわりを持つ人も多いものです。

  • 20代は新人、初任
  • 30代で中堅
  • 40代はベテラン

経験年数による暗黙のランク付けが存在します。

入った当初は、そういうものなんだと思っていても、偉そうに話す先輩保育士の姿を見て、賛同しなければいけない自分や、年数で保育の質を図ることに疑問を抱く人も。

しかし、苦言を呈するとピラミッドからはじき出されてしまい、いじめのターゲットになってしまうのです。

保育のスキルが高い保育士がいても、20代というだけで経験が浅いというレッテルを貼られてしまう。そもそも保育の質を年数で図ることがおかしな構図ですよね。

保育園在籍年数による序列

勤務する保育園に入って何年目かというのも非常に重要視されます。

つまり、その保育園に勤務した年数が長ければ長いほど、権力を得ることに。1年目からはっきりと縦社会が分かるので、職員会議で意見を言おうものなら、「あなたはこの保育園に入って何年目だっけ?」と一括されてしまいます。

「入った年数は関係ないのでは?大事なのは子ども達のために・・・」と発言してしまうと、次の日からはあなたがターゲットになってしまうのです。

中には、在職年数なんか関係ないと、誰にでも平等に接してくれる先輩保育士もいますが、数の理論で多数派には勝てない状況。

あなたは今の保育園での理不尽な事を言われたことはありませんか。

結婚や子どもの有無をアピールされる

結婚や出産、子育てを経験している保育士は、自分をアピールすべく、自分が持っていて、相手が持っていないものをあえて自慢していることも伺えます。

女性から女性に対するセクハラ発言の一つなので、結婚や子どもの有無を自慢されても屈しない態度を見えることが重要ですよ。

グループラインに招待しない、悪口を書き込む

自分が一番でありたいと思う保育士は、あらゆる手を使って攻撃してきます。保育園の中には、緊急連絡先の一つとしてグループラインを任意で作るケースも増えてきました。

また、同期や乳児グループなど同じカテゴリーで簡単にグループを作ることもできます。
SNSが普及している時代なので、便利ですが時にはこのSNSによって傷つけられることも。

それは、保育園のグループラインにあなたをあえて招待しないこと。
誰かに教えてもらわないと分かりませんが、自分が入っていないグループラインの存在が分かるとそのショックは計り知れません。

しかも、グループラインを使って悪口を書き込んでいたことが分かると、もう働く意欲もなくなってしまうのではないでしょうか。

そんな辛い状況が続いているあなたに、対処する方法についてご紹介したいと思います。

我慢し過ぎていませんか?

いじめに対する対処法

最初は気のせいかと思っていたことも、わざとやっている。しかも私にだけ!と感じるようになったら、気持ちのよいものではありません。

そのまま放置しておくという方法もありますが、できることを積み重ねていくことが、いじめを誘発させないポイントになります。ではどのような方法があるのでしょうか。

記録を取る

日々の行動で嫌だなと思ったことは、手帳やスマホなどにメモをして記録として残しておきましょう。

【書き方例】

  • 日にち
  • 場所
  • 保育士の名前
  • いじめを受けた内容

これを積み重ねていくことで重要な証拠になります。
職員会議で、暴言を吐かれた時や、みんなの前で叱責を受けた時などもいじめを受けていることを示せるので、ICレコーダーを準備しておくようにしましょう。

協力者を見つける

いじめを受けて嬉しい人はいません。しかしいじめに対して不信感を抱く人もいるものです。

あなたの事を助けたい。でも周りの目があるから助けられない。自分がターゲットになるのが怖い。そんな思いを持っている人を探して見ましょう。

良く目が合う人は、あなたの事を気にかけてくれているのかもしれません。通勤時間が一緒になる人は、もしかしたら、あなたと話すチャンスを作ってくれているのかも。

しかし、保育園内で露骨に話していると、相手にも迷惑をかけてしまうので、トイレに行った時や休憩時間。保育園を退勤してから駅までの間など、タイミングを見極めて話しかけるようにしましょう。

仲間になってくれそうだと分かったら、LINEで話ができますし、保育園の中で話さなくても見方が一人いるだけでも心強いのではないでしょうか。

割り切った態度を見せる

どんな小さなことでも、いじめは心に深い傷を作ってしまいます。嫌われたくないという思いから、いじめてくる相手との上下関係ができてしまうものですが、割り切っていじめには屈しないという態度を見せることも重要です!

いろいろな手法で攻撃しても態度を変えなければ、ターゲットを変える可能性もありますし、逆にこの人には逆らえないかもという、無言のプレッシャーを与えるということにもつながるのです。

割り切るとひとことに言っても難しいですが、保育園では子どもを保育することが本来の仕事だと考えれば、無視されても、高圧的な態度をされても、子どもが一番だと思えるのではないでしょうか。

内部の相談窓口があるかどうか確認

協力してくれそうな人がいない場合や、周りに迷惑をかけたくないなら、保育園を運営する法人の内部に、労働に関する相談窓口があるかどうか確認してみましょう。

人事部が担当する場合の他、独立した部門を設置し、個人情報を守り事例に応じて保育園へ注意や指導を行ってくれる場合もあります。

注意や指導することで、通報した人が分かるのが嫌なら、異動という方法で対処してもらうよう、相談してみてはいかがでしょうか。

外部の相談窓口を利用してみる

内部に相談の窓口がない場合は、公共機関が提供する電話相談またはメール相談を利用してみましょう。それぞれに利用方法が違うので、詳細はホームページを確認してみてください。

日本司法支援センター 法テラス:0570-078374(なやみなし)
平日9:00~21:00 土曜日9:00~17:00
法務省 みんなの人権110番:0570-003-110(ゼロゼロみんなのひゃくとおばん)
平日午前8時30分から午後5時15分まで
こころの耳:働く人の「こころの耳メール相談」
働く人の「こころの耳電話相談」
0120-565-455月曜日・火曜日 17:00~22:00 / 土曜日・日曜日 10:00~16:00

転職して環境を変える

いじめは絶対に嫌!いじめられる位なら、保育士を辞めようと思っている人
協力者を探したけど、もう疲れた。人間関係の良い保育園に転職する!と思っている人もいるかもしれません。

それぞれ、受け取り方や対処法は違って当然です。
大事なのは、あなたらしさが失われないように、心と体のバランスを保つということ。
少しでも体調に異変を感じたら、無理をしないで体からのメッセージに目を向けることです。

辛い状況が続くなら、転職をしてリスタートすることは十分可能なので、無理はしないであなたが輝きながら働ける場所を見つけてみましょう。

転職支援サービス利用の流れは、無料の会員に登録して希望の条件に近い保育園を紹介してもらいます。

転職支援サービス利用の流れ
  • 無料の会員登録

    勤務形態・施設形態・通勤可能なエリア・希望給与額・福利厚生のチェック・就業開始日

  • 求人紹介
  • 面接の日程調整
  • 合否(内定 or 辞退)

人間関係の良い職場は求人票では見抜けません。人間関係が良い保育園に転職を希望するなら保育エイド がおすすめです。

まとめ

全ての園が該当するわけではありませんが、自分に合わない保育園は早めに方向転換することも、あなたの悩みを減らす一つになるかもしれません。いじめは絶対ダメ!無理をしないで、あなたらしく働ける場所を見つけてみましょう。もしいじめを受けているなら、がまんしてあなたの体調を崩してしまうだけです。あなたが幸せになるための一歩を踏み出してみましょう。

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