公立保育園で働くデメリット。安定を求めて目指すのは危険!その理由とは

公立保育士

昇給もあり、ボーナスも支給される。
そして定年までの終身雇用が約束されている公立の保育士はうらやまし限りですが、実は知られていないデメリットがあるのをご存知ですか?

そこで、これから公務員試験を受けようと考えている人のために、公立保育園で働くデメリットについてご紹介していきたいと思います。

公立の保育園で働くメリット

公立保育園で働くメリットと言えば、やはり、公務員という立場が守られていることです。

地方公務員は、それぞれの自治体が運営しているため、株式会社のように倒産することはありませんし、地方公務員法という法律によって服務や給与などが細かく定められているのです。

昇給にボーナス、そして公務員としてさまざまな恩恵を受けることができるのは大きなメリットですよね。

その中でも一番は、定年後にもらえる退職金の額!

入職した年齢や経験年数、従事していた業務内容にもよりますが、その額は2,000万円位上という大金が支給されるのです。

長く公的サービスに従事した見返りとしてもらえるのは、やはり魅力的ですよね。

公立保育園で働くデメリット

公立保育園のメリットが、身分の保障や待遇などに対して、どんなデメリットがあるのでしょうか。

競争率が高い

公立の保育士になるためには、自治体の募集がなければ試験を受けることはできません。
そして、年齢制限を設けている行政も多いため、受験できるタイムリミットが存在するのです。

保育士の募集は、退職者の補充と、今後の保育サービスの展望を含めて募集をするため、受験したい行政の保育施策もチェックしておく必要があります。

そのため、募集状況や倍率も行政によってばらばら。
平成28年度の公務員試験結果(保育)を見てみると、

結果公務員試験

一番倍率の高かったのは、神奈川県茅ヶ崎市の23.3倍
次いで埼玉県上尾市の18.5倍と狭き門になっています。

公務員となるためには、相当な努力が必要であることが分かります。
参考:「平成28年度の公務員試験結果(保育)」

ベテラン保育士が多いため人間関係が面倒

難関を突破して合格した場合、すぐに採用されるとは限りませんが、晴れて公務員保育士として勤務できたとしても、思い描いていた現実とは違う社会が待ち受けています。

それは、若い保育士にとっては頼りになるはずのベテラン保育士の存在です。

若い保育士は、ベテラン保育士に対して、尊敬の眼差しを持って保育園に入ってきますが、実は、保育士歴が長くなればなるほど、中堅や年配の保育士の権力が強くなっていくもの。

子どもたちへの対応や、保護者への接し方は素晴らしいと感じますが、その反動を保育士にぶつけてくる他、見えない所で愚痴を言い合うということも。

そのパワーに圧倒されて、ベテランには逆らってはいけない雰囲気を感じ取っていくのです。

もちろん、全ての人がそうとは限りませんが、力を持っている人が多いということは覚えておきましょう。

公務員は学校を卒業して入職し、その後定年まで働くという人が多いので、完全なる年功序列なのです。

行政が運営しているためできる事が限られる

保育園の最終的な責任は、園長ではなく、自治体の区長や市長になります。

小さなクレームなら園長レベルで解決できますが、事故やケガの度合いによっては裁判に発展することも。

そのため、クレームが出ないよう、守りの保育に入る自治体も増えてきました。

数十年前は、保育園内に年長さんが泊まるお泊り保育が子どもたちにも保護者にも人気でしたが、不審者の問題や保育士の人件費などから、行事の中止をする行政も増えてしまったのです。

行事は縮小され、見守りの保育に切り替わってきてしまっているのです。

自然に関わることができる遠足を企画しても、少しでも危険性がある場合は承認されません。
守りの保育になってしまっていることは、できるものがどんどん減らされているということ。やりたくても、できない環境になってしまっているのです。

出る杭は打たれる

公務員は大きな組織なので、1人の意見で変えることはできません。
子どもたちの為にできることをと、決められたルールの中でやろうとしても、出る杭は簡単に打たれてしまいます。

それは、園長や主任の評価が下がるという理由もありますし、足並みを揃えなければダメ!という葛藤の中でのアドバイスなのかもしれません。

あまりにも、新しいことを率先してやり過ぎてしまうと、チームワークが取れない保育士だと思われてしまい、ベテラン保育士からは良く思われないのです。

ベテラン保育士に目を付けられてしまうと・・・
その先は職場の人間関係に馴染めず、働きづらさを感じてしまうというサイクルに。

他の保育士が注意されているのを見ると、自分はそうなりたくないと守りの姿勢になってしまうのも、自分を守るための術なのかもしれません。

必ず異動がある

公立保育園で働く保育士には、必ず異動があります。一般的には、ゼロ歳で入った子どもが卒園するまでの6年が目安とされていますが、今はこの限りではありません。

入って3年で異動する人もいれば、6年以上異動がない人も。
自宅からの通勤も考慮してくれますが、基本的に異動が分かるのは3月下旬。

そしてその数週間後には、新しい職場に異動しなくてはいけないのです。

希望についての面談があり、内示があってからの異動発表なら気持ちの整理もつきますが、働く保育士が多いため、不公平のないように一斉に発表する形を取る行政もあります。

やはり、いきなり年度末のギリギリに異動を言い渡されるのが、公務員保育士の辛い場面の一つなのではないでしょうか。

組合活動の負担

公務員は地方公務員法という法律で守られています。
しかし、法律と現場でのギャップはつきもの。

いくら退職金がもらえるからといっても、経済が良くなり、民間企業の給与水準が上がっても、公務員は適応になりません。

そのため、職員団体、つまり組合を作って、職員課や担当課と交渉して業務の改善を図っていきます。

しかし、一人ひとりが違う意見を言ってしまったら交渉にならないため、職員全体の意見をまとめるため、定期的に仕事以外で集まり、問題点の提起や今後の方針を確認する必要がでてくるのです。

組合は任意なので義務ではありませんが、組合に入っている人が多ければ入らざるを得ません。

組合活動のために、プライベートで話し合っても、交渉が確実に受け入れてもらえる確証もないため、組合活動は大きな負担になるのではないでしょうか。

公立保育園の保育士に向いている人

公立の保育士には向いている人と向いていない人がいます。
大事なのは、自分に合っているかどうかを見極めること。
具体的にどんな人が向いているのでしょうか。

安定した雇用や待遇を望む人

公立の保育士はやはり定年まで安定した雇用が保障されているので、安定志向の人にはおすすめです。

  • 与えられた仕事をこなし、コツコツと働く人
  • 社会に貢献したい人
  • 一度就職したら定年まで同じ職場で働き続けたい人
  • 老後の備えとしてまとまった退職金が欲しい人
  • リーダーになるより、指示されるのが好きな人

これらに当てはまる人は、公立の保育士に向いているのではないでしょうか。

公立保育園の保育士に向いていない人

では、逆に公立の保育士に向いていないのはどんな人なのでしょうか。

上下関係は派閥が嫌いな人

保育士の職場はどこも上下関係や派閥はつきものです。
でも公務員の上下関係は質が違います。

民間の保育園では、子育てに一段落して資格を取得し、保育士として働く人を同じ仲間として受け入れますが、公立では完全なる年功序列です。

自分たちが経験してきたことが普通であって、イレギュラーなケースは理解できませんし、受け入れられない体質が残っているのです。

そのため、代々受け継いできたルールを重んじるため、上下関係や派閥が嫌な人には向いていません。

ストレスが溜まり、年齢を超えてバトルに発展してしまうでしょう。
保育の事で話し合うのは大事なことですが、押さえつけられたものがプツンと切れて爆発してしまう可能性があるため注意が必要です。

常に新しいことを実践していきたい人

行政が運営する公立保育園では、さまざまなしばりがあるため、行事も縮小傾向になっています。
それでも、子ども達のために!と訴える保育士もいますが、多数派の理論で叶いません。

そのため、企業とのコラボや、新しいおもちゃの開発。
アプリを保育に取りいれてみたいという発想があっても、出る杭は打たれてしまいます。

  • 常に保育士としてスキルアップをしていきたい!
  • 経験を積んだら主任や園長にも積極的にチャレンジしていきたい!

と思う人は、民間の法人の方が向いていますし、チャンスを生かせるかもしれません。

まとめ

公立保育園には、公務員というメリットとデメリットの2つの側面が存在します。公務員になれたのはいいけれど「こんなはずではなかった」とならないためにも、あなたに合った職場を探すヒントにしてみてくださいね。